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2014年8月31日 (日)

Vol.191 災害弱者の避難計画を机上の空論で終わらせてはいけない

2014年8月30日
MRIC by 医療ガバナンス学会
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 私は福島第一原子力発電所事故以降、
同県南相馬市と相馬市において、災害時
における高齢者避難の検証を行っている。
 
 これまでに、高齢者にとって避難は命に
関わる冒険であると、繰り返し警鐘を
鳴らしてきた(1-3)。
 
 しかし、昨今の政府・自治体の防災対策
を見る限りでは、未だに「とりあえず避難」
という認識が先行し、高齢者の避難に伴う
リスクを考慮した計画策定には遠く及ばず、
現状の避難計画は机上の所作で終わって
しまう可能性を否定できない。
 
 茨城県は今月6日、東海第二原子力発電所
(同県東海村)から半径30km圏内14市町村
の住民の避難先案を発表した。
 
 圏内の夜間人口約96万人のうち、
約44万人は圏外の県内市町村の公共施設に、
県内で収容しきれない約52万人は周辺5県に
避難させるとした
(具体的な受け入れ先市町村及び施設まで
は定まっていない)(7)。
 
 当案では、高齢者を含む要援護者の存在
や移送手段は考慮されていない。
 
 国の災害対策指針によれば、30km圏内の
住民の避難は、放射線レベルに応じ
事故後1日あるいは1週間以内に講じられる
こととなっている(8)。
 
 これら避難計画には大きな落とし穴が
ある。
 
(1)放射線被ばくと避難による
   身体的・精神的負荷の両リスクを
   鑑みた上で、住み慣れた環境に留まる
   という選択肢が欠如している事、
 
(2)いざ避難が必要となった時、具体的
   な避難の実施が、各施設に丸投げ
   されている事だ。
 
 福島原発事故後の避難に関連する被害を
大きく次にまとめる。
 
■ 20km圏内の病院7施設から、850人の
  入院患者が避難。
  1ヶ月以内に60名死亡。
  その内48名は移送中に亡くなる(9)。
 
■ 20km圏内の老人施設32施設から、
  1770名の入所者が避難。
  8ヶ月以内に263名死亡。
  前年度の2.4倍の死亡率(10)。
 
■ 20-30km圏内の老人施設5施設から、
  328名の入所者が避難。
  約一年以内に75名が死亡。
  過去5年平均の2.68倍の死亡率(11)。
 
■ 2013年末、福島県における
  「災害関連死」者数は1,605名となり、
  津波による死者数1,603を上回る(12)。
 
 
 今回の原子力災害は、政府・自治体及び
医療関連施設の防災計画で想定された災害
をはるかに上回るものであった。
 
 今回の事故が起きた以上、今後広域の
避難を要する原子力災害は、想定外では
済まされない。
 
 本災害から得られた教訓と、
細かいノウハウを、今後の災害時に生かす
努力が求められる。
 
 災害弱者の避難計画を机上の空論で
終わらせてはいけない。
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 同感です。
 
>「災害関連死」者数は1,605名となり、
>津波による死者数1,603を上回る
 
 津波の直接死者数を上回っているの
ですよ!
 このことをしっかり認識すべきです。
 大変なことではないのでしょうか?
 
 政府は人の命をどう思っているので
しょうか?
 
 避難計画は自治体に放り投げて、
原発の稼働条件には避難計画の有無は
考慮しない。
 
 これではもう一度事故が起きれば
同じように津波に匹敵する死者が
発生するということです。
 
 これで国民の命を考慮しているのかと
思う。
 
 高齢者、弱者などは命を守る対象では
ないのだと、そう思っているとしか
思えません。
 
 全く情けない国です。

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