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2014年8月18日 (月)

1ナノメートルの人工分子マシン1個を「見て、触る」ことに成功

平成26年7月9日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
自然科学研究機構 分子科学研究所(IMS)
物質・材料研究機構(NIMS)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 東京大学 大学院工学系研究科 応用化学
専攻の野地 博行 教授らは、分子の
機械的な運動を可視化する
「ビーズプローブ光学顕微鏡1分子運動
計測法(1分子モーションキャプチャ法
注1))」を大きさ1ナノメートルの
人工分子マシン注2)に適用し、
その回転運動を「見て、触る」ことに成功
しました(図1)。
 
 1分子モーションキャプチャ法は従来、
生体内でエネルギー変換を行う分子
(生体分子マシン注3))の機能を解明
するために考案された手法です。
 
 生体分子マシン1個を「見て、触る」
ことができ、運動の方向性や一歩で進む
サイズ、発生する力などこの方法でしか
解らない多くのことが明らかになるため、
人工的に作製した分子マシン
(人工分子マシン)でもこの計測が
用いられるようになることが待たれて
いました。
 
 しかしながら、生体分子マシンの大きさ
は10ナノメートル程度であるのに対し、
人工分子マシンの大きさはその
10分の1の1ナノメートル程度である
ため、本手法をそのまま適用するのは困難
でした。
 
 今回、野地教授らのグループは、
1分子モーションキャプチャ法をさらに
改良し、光学顕微鏡で可視化できる
直径200ナノメートルのビーズを用いて
大きさ1ナノメートルの人工分子マシンで、
分子内の2枚の板状の部分がホイール
のように回転する
ダブルデッカーポルフィリン1分子の運動
を記録しました(図2)。
 
 従来の手法を見直し、人工分子マシンが
小さいために生じる固定化反応の効率の
低下やビーズと基板の相互作用などを改善
する工夫を行うことで、本手法の適用できる
範囲を広げました(図3)。
 
 さらに、ビーズに外力をかけることで
分子1個の運動を操作することにも成功
しました。
 
 1ナノメートルという大きさは生体や
人工の分子マシンの最小サイズである
ため、本手法を用いることでどのような
分子マシンの動きも可視化することが
できるようになります。
 
 人工分子マシン1個の振る舞いを
「見て、触り」ながら性能評価できる
この手法は、人工分子マシンの目標の一つ
「力を発生して運動する人工分子モーター」
の実証に適用できる現在唯一の方法です。
 
 将来、例えば光で駆動する
人工分子モーターを作製し、
生体分子モーターと接続することによって、
生体のさまざまな化学反応を光で操作
できるテーラーメイドなエネルギー変換技術
が可能になると期待されます。
 
 本研究は、東京大学 大学院工学系研究科
応用化学専攻の池田 朋宏 特任研究員、
塚原 隆博 修士(当時)、自然科学研究
機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター
/分子科学研究所 飯野 亮太 教授、
物質・材料研究機構 高分子材料ユニット
有機材料グループ 竹内 正之 
グループリーダーと共同で行ったものです。
 
 また、科学技術振興機構 戦略的創造研究
推進事業 CRESTの支援を受けて
行われました。
 
 本研究成果は、ドイツ化学会の科学誌
「Angewandte Chemie
 International
 Edition(英語版)」に近く公開
されます。
 
 また、本研究成果はその重要性が認め
られHot paperに選出されると
共に、同誌の裏表紙への採用が決定され
ました。
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 素晴らしいです。
 
>1ナノメートルという大きさは、人工的
>に合成された分子も含め、マシンとして
>の機能を持つ分子の最小サイズです。
 
>つまり本成果により、生体分子マシン、
>人工分子マシン問わず、全ての
>分子マシン1個の運動をこの方法で
>検出、操作できることが示されました。
 
>さらに、人工分子マシン1個の振る舞い
>を実体があるものとして「見て、触り」
>ながら性能評価できるこの方法は、
>人工分子マシンの目標の一つ
>「力を発生して運動する
>人工分子モーター」の実証が可能な
>現在唯一の方法です。
 
>将来、例えば光で駆動する
>分子モーターを設計して実証する
>というプロセスを通じて、ATP合成
>など生体分子モーターが司るさまざまな
>化学反応を全て光で操作するといった、
>分子マシンによるテーラーメイドな
>エネルギー変換技術が実現されていく
>と期待されます。
 
 夢に一歩近づいた感じですね。
 期待したい。

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