« 耐性菌、光使って死滅 大阪市立大が治療法開発 | トップページ | 脳障害の新生児、自分の臍帯血で治療 今秋にも臨床研究 »

2014年8月27日 (水)

免疫細胞による新たな感染防御機構の発見 ~自然リンパ球は腸管上皮細胞の糖の付加を制御する~

平成26年8月22日
東京大学 医科学研究所
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
発表のポイント
〇腸管上皮細胞に発現している糖転移酵素
 は、病原性細菌・ウイルスといった
 病原体の感染、クローン病などヒトの
 さまざまな疾患に関与している。
 
〇免疫細胞の一種である自然リンパ球が、
 腸管上皮細胞の糖転移酵素の発現および
 この酵素による糖の付加を制御している
 ことが分かった。
 
〇腸管上皮細胞に発現している糖鎖が、
 病原性細菌の感染を防御していること
 を発見した。
 
〇自然リンパ球による腸管上皮細胞の
 糖鎖修飾機構を応用することで、感染症
 やさまざまなヒトの疾病に対する予防や
 診断、治療法の開発につながると
 期待される。
 
 
-----
 腸管上皮細胞は体の内と外を分け隔て、
外来の異物に対する防御バリアとして
働いている。
 
 腸管上皮細胞はさまざまな糖転移酵素
注1)を発現しているが、その中の一つ
であるフコース注2)転移酵素は、
ウイルスなどの病原性微生物の感染や、
慢性の炎症性腸疾患であり難病の一つ
であるクローン病といったヒトのさまざま
な疾患関連遺伝子の一つとして報告されて
いる。
 
 しかし、腸管上皮細胞における
フコース転移酵素の発現がどのような機構
によって制御されているのか、
腸管上皮細胞に発現しているフコースが
生体内においてどのような役割を果たして
いるのかなどほとんど明らかとなって
いない。
 
 東京大学 医科学研究所の後藤 義幸
研究員(現在:米国 コロンビア大学
博士研究員)、清野 宏 教授らの
研究グループは、マウスにおいて
腸管上皮細胞のフコース転移酵素の発現
ならびにこの酵素によるフコースの付加
(フコシル化)の誘導に、セグメント細菌
注3)を含む腸内細菌が関与することを
見出した。
 
 さらに、腸管に存在する免疫細胞の一種
である自然リンパ球注4)が、
インターロイキン22(IL-22)や
リンホトキシン注5)を産生することが
これらの誘導に重要であることを発見した。
 
 また、フコース転移酵素が欠損している
マウスでは、病原性細菌の一種である
サルモネラ菌に感染しやすくなることも
明らかにした。
 
 これまでに、ヒトは抗体や抗菌ペプチド
注6)を産生することで、外来の
病原微生物に対して防御、対処することが
知られてきた。
 
 本成果は、腸管上皮細胞に発現する
糖鎖注7)が自然リンパ球によって
誘導されることに加え、病原性細菌の
感染防御に効果があることを示しており、
新たな免疫反応の発見という観点でも
非常に意義があると言える。
 
 本研究により明らかとなった
腸管上皮細胞の糖鎖修飾注7)機構を応用
することにより、感染症やクローン病など
に対する新たな予防や診断、治療法の開発
につながることが期待される。
---------------------------------------
 
>ヒトは抗体や抗菌ペプチド注6)を産生
>することで、外来の病原微生物に対して
>防御、対処すること
 は知られていたが、
 
 このこと以外に
>腸管上皮細胞に発現する糖鎖注7)が
>自然リンパ球によって誘導される
>ことに加え、
>病原性細菌の感染防御に効果がある
 ことを発見したということですね。
 
 このことは、
>免疫細胞による腸管上皮細胞の糖鎖修飾
>の誘導という生物学的な発見に留まらず、
>感染症や難病の慢性炎症性疾患など、
>ヒトの疾病に対する予防・診断・治療の
>開発につながることが期待される。
 
 期待したい。

|

« 耐性菌、光使って死滅 大阪市立大が治療法開発 | トップページ | 脳障害の新生児、自分の臍帯血で治療 今秋にも臨床研究 »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/60217386

この記事へのトラックバック一覧です: 免疫細胞による新たな感染防御機構の発見 ~自然リンパ球は腸管上皮細胞の糖の付加を制御する~:

« 耐性菌、光使って死滅 大阪市立大が治療法開発 | トップページ | 脳障害の新生児、自分の臍帯血で治療 今秋にも臨床研究 »