共生細菌がカイメン気遣って毒を生産
2014年7月2日
サイエンスポータル科学ニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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カイメン(海綿動物)には多様な細胞毒性
物質があり、それから抗がん剤なども開発
されている。
そうした特定の毒性物質を生産している
のは、カイメンに共生する細菌であること
を、東京大学大学院薬学系研究科の
脇本敏幸准教授と江上蓉子特任研究員、
阿部郁朗(いくろう)教授らが発見した。
6月30日の米科学誌
ネイチャー・ケミカル・バイオロジーの
オンライン版に発表した。
カイメンは最も原始的な多細胞動物で、
岩などに付着して、ろ過した海水から
有機物を摂取して生きている。
高度な免疫系や物理的防御機構はないが、
化学防御に使う抗菌活性物質や細胞毒性
物質を数多く持っている。
その中にはハリコンドリンBなど
抗がん剤として実用化された物質も報告
されている。
しかし、それらが合成される仕組みは
ほとんどわかっていなかった。
研究グループは、相模湾に生息する
チョコガタイシカイメンの細胞毒性物質
カリクリンAの生合成遺伝子クラスターを
取得し、その遺伝子配列をもとに生産者を
探した。
その結果、フィラメント状の細菌の
エントセオネラが合成していることを
突き止めた。
しかも、興味深いことに、共生する相手
のカイメンへの毒性を回避するためか、
カイメンを気遣うように、毒性の低い
前駆物質(細胞毒性物質となる前の段階の
物質)を合成していた。
この前駆物質を蓄えたカイメンの組織が
ひとたび外敵によって傷害されると、
傷害された部位だけで、前駆物質が
脱リン化されて細胞毒性物質の
カリクリンAが瞬時に生じることを
確かめた。
強力な細胞毒性物質カリクリンAを使う
ために、生産・貯蔵の際の毒性回避と
化学防御時の毒性発現という、相反する
要件を満たす巧妙な仕組みがカイメンと
細菌の共生で存在していることが
わかった。
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すごい。
いつもながら共生の仕組みは良く
出来ている。
長い年月をかけてこういう共生関係が
築かれた。
命の神秘ですね。
現代科学では、単なる偶然の積み重ね
の産物ということになるのだと思いますが、
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