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2014年7月 6日 (日)

砂からケイ素産業基幹原料を直接合成

2014年5月22日
サイエンスポータル科学ニュース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 ケイ素は現代産業の鍵を握る元素の
ひとつである。
 
 そのケイ素化学産業の基幹原料を砂の
主成分のシリカから効率的に直接合成する
方法を、産業技術総合研究所(産総研)が
開発した。
 
 ケイ素化学産業の基幹原料の
テトラアルコキシシランを、シリカと
アルコールの反応によって合成する新技術
で、産総研触媒化学融合研究センター
触媒固定化設計チームの深谷訓久
研究チーム付、崔準哲主任研究員、
安田弘之研究チーム長、
佐藤一彦研究センター長らが成し遂げた。
 
 テトラアルコキシシランは、幅広い
産業分野で使われているケイ素材料の
基幹原料と、位置づけられる。
 
 工業的には、高温で炭素と反応させて
還元した金属ケイ素にアルコールを反応
させたりして合成しているが、典型的な
エネルギー多消費プロセスのため、
ケイ素原料のコストを上げる要因に
なっている。
 
 研究グループは、金属ケイ素を経由
しない製造法として、シリカとアルコール
を直接反応させる方法に着目した。
 
 この基幹原料のテトラアルコキシシラン
は、化学式で見ると、シリカとアルコール
との反応で生成し、その際に水ができる。
 
 しかし、逆反応の方がはるかに進行
しやすいため、この反応で効率よく合成
するのは難しい。
 
 そこで、生成する余分な水を取り除いて
やれば、逆反応が抑えられるとみて、
水を除去する有機脱水剤を加えたところ、
テトラアルコキシシランが一段階で
得られることを突き止めた。
 
 シリカとメタノールの反応に、脱水剤
としてアセトンジメチルアセタールという
有機物を加えると、反応温度242℃、
反応時間24時間で、
テトラアルコキシシランの収率は18%
だった。
 
 さらに、この反応系に二酸化炭素と、
金属アルコキシドとアルカリ金属
水酸化物の触媒を共存させたところ、
反応の効率が飛躍的に上がった。
 
 反応を96時間まで継続すると、収率は
88%まで達した。
 
 この新技術は、砂から有機ケイ素原料の
省エネルギー・低コスト製造に新しい道を
開く可能性をはらんでおり、ケイ素化学
産業へのインパクトは大きい。
 
 特許も出願した。
 
 関連リンク
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 素晴らしい。
 現代産業に与える影響は大きそうです。
 
>研究グループの安田弘之研究チーム長は
>「シリカやアルコールという安価で
>ありふれた原料から、ケイ素化学産業の
>基幹原料を効率よく合成できる可能性が
>大きく開けた。
>コストの評価はこれからだが、触媒を
>改良して、大規模化も検討し、数年後の
>実用化を目指したい」と話している。
 
 早く実用化出来るよう期待したい。

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