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2014年7月30日 (水)

リチウムイオンがフラーレンの反応性を2400倍向上

2014年7月17日 大阪大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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発表のポイント
 
・球状炭素分子フラーレンの内部に
 リチウムイオンを内包することで、
 フラーレンのディールス・アルダー反応
 (※1)における反応性が約2400倍向上
 することを定量的に明らかにした。
・化学工業、医薬品合成にも用いられる
 ディールス・アルダー反応がどのような
 条件で加速されるか?という問題に、
 全く同じ大きさで電子状態だけが違う
 分子を用いることにより、初めてその
 電子的影響のみを取り出して議論する
 ことに成功し、触媒設計の新概念を
 提示した。
・生成物として得られるリチウムイオン
 内包フラーレン誘導体は、
 有機太陽電池、リチウムイオン電池、
 キャパシタ等への応用が見込まれて
 いる。
 
 
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リリース概要
 
 東京大学大学院理学系研究科の松尾豊
特任教授、大阪大学大学院工学研究科の
小久保研准教授、名古屋市立大学大学院
システム自然科学研究科の青柳忍准教授
らは共同で、世界で初めてリチウムイオン
内包フラーレン(Li+@C60、※2)の反応性
を定量的に測定しました。
 
 その結果、リチウムイオンが入って
いない通常のフラーレンC60(※3)と比較
して、ディールス・アルダー反応の速度が
約2400倍速くなるという、リチウムイオン
の“分子内封入触媒効果”が明らかに
なりました。
 
 また、化学工業、医薬品合成にも
用いられるディールス・アルダー反応は、
立体的な効果と電子的な効果により反応性
が左右されますが、今回の反応において、
通常のフラーレンとリチウムイオン内包
フラーレンは同じ外形・体積をもつため
立体的な効果に差はなく、内包された
リチウムイオンの電子的効果のみを議論
することができます。
 
 これらの研究成果は、この反応の理解を
より深めることにつながり、新しい
触媒設計の指針となりえます。
 
 また、生成物として得られる
リチウムイオン内包フラーレン誘導体は、
他のフラーレンを凌駕する有機機能性材料
として、今後、有機太陽電池、
リチウム電池、キャパシタなどの電池材料
への応用が期待されています。
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 良さそうです。
 
>化学工業、医薬品合成にも用いられる
>ディールス・アルダー反応がどのような
>条件で加速されるか?
>という問題に、全く同じ大きさで
>電子状態だけが違う分子を用いる
>ことにより、初めてその電子的影響のみ
>を取り出して議論することに成功し、
>触媒設計の新概念を提示した。
 
 これがミソですね。
 
 触媒設計すごく重要ですから、
今後に大いに期待しています。

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