脳マラリアの新たな診断と治療のターゲットを発見
2014年5月15 大阪大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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大阪大学 免疫学フロンティア研究
センター(iFReC) マラリア免疫学研究室の
ジェヴァイア・チョバン(Cevayir Coban)
准教授らの研究グループは、脳マラリアの
新たな診断と治療のターゲットを発見
しました。
世界の多くの地域でいまだに多数の患者
と死者をだしているマラリア感染において、
昏睡、高熱、痙攣などを起こすもっとも
重症な病態のひとつが脳マラリアです。
この病態に対する早期診断、治療法ともに
いいものがなく最も死亡率の高い危険な病態
といわれています。
今回の研究では、
1)世界最高精度(11.7テスラ、大阪大学)の
MRIを用いることでマラリア感染時に脳の
臭いを感じ取る重要な部位「嗅球」にて
早期に変化が起こることを世界に先駆けて
発見しました。
2)脳の嗅球の微細構造を2光子顕微鏡
(医薬基盤研究所)を用いて生きたまま
観察し、嗅球でのマラリア原虫と
免疫細胞の相互作用や毛細血管が出血
する瞬間の動画を撮影することに成功
しました。
3)1)・2)の結果と詳細な免疫学的な解析
により、マラリア原虫が「嗅球」の
毛細血管にとどまり(引っかかり)、
局所で過剰な免疫反応が起きることに
よって、微小な出血から血液脳関門の
破壊、そして続いて起こる全身の高熱が
脳マラリアの病態の引き金になっている
ことを見出しました。
4)さらに嗅球の重要な機能である「臭い」
の異常が脳マラリアの早期診断の鍵に
なる可能性があり、また、嗅球に集まる
免疫細胞を抑える薬を用いることで
脳マラリアによる死亡率を下げることが
できることを示すデータも示されました。
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素晴らしい。
>世界最高精度(11.7テスラ、大阪大学)
>のMRIを用いる
性能が良いというのは良いことですね。
>今回の成果は脳マラリアを悪くする
>免疫細胞の嗅球への移動を抑制する治療、
>予防法が開発可能であることを示唆する
>重要な知見だと考えられます。
>今後の脳マラリアの脳科学的、免疫学的
>な理解が深まるとともに、新たな診断と
>治療のターゲットが開発されることが
>期待されます。
とのことです。
期待したい。
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