虫垂は無用の長物にあらず、免疫に重要
2014年04月11日
サイエンスポータル科学ニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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「無用の長物」と考えられていた虫垂の
リンパ組織が、粘膜免疫で重要な
免疫グロブリン(Ig)Aを産生しており、
腸内細菌叢(そう)の制御に関与している
ことを、大阪大学大学院医学系研究科
感染症・免疫学講座の竹田潔教授らが
初めて突き止めた。
虫垂につきまとう否定的なイメージを
覆す発見で、虫垂炎(盲腸)の手術方針など
臨床にも影響を与えそうだ。
4月10日に英科学誌ネイチャー
コミュニケーションズのオンライン版
で発表した。
右下腹部の盲腸から細く伸びる虫垂は
長く、体にとって不必要な組織と考えられて
きた。
虫垂炎を起こしやすいため、開腹手術で
あらかじめ切除してしまうこともあった
くらいだ。
しかし、虫垂はリンパ球が集まる場所で、
何らかの免疫の機能を担っている可能性も
考えられていた。
研究グループは、免疫系が発達していない
無菌マウスの虫垂を切除して、その後に、
腸内細菌を定着させて、免疫系の発達を
調べた。
虫垂を切除したマウスでは、大腸で
IgA産生細胞の増加が著しく遅れていた。
IgAは腸内細菌叢のバランスの維持を担う
重要な抗体とされている。
虫垂切除マウスでは、虫垂があるマウス
に比べて、腸内細菌叢のパターンが崩れて
いることもわかった。
竹田潔教授は「虫垂は、腸内細菌叢の
バランス異常によって発症する炎症性腸疾患
の制御にも関わる重要な組織である。
虫垂切除はかなり難しい実験なので、
これまで研究されなかった。
マウスの実験結果だが、ヒトでもたぶん
同じだろう。
虫垂はむやみやたらに切ってはいけない
と思う。
残せるなら残した方がよい。
今後、炎症性腸疾患や腸管感染症に
対する新しい治療法の開発が期待される」
と話し、虫垂リンパ組織の重要性を念頭に
置いた腸管免疫系の制御法の開発を提言
している。
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科学とはこんなものだと認識しないと
いけない。
(一定不変ではないということ)
でも、驚きますね。
頭の片隅に置いておきましょう。
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