ワクチンの効果を高める新規免疫核酸医薬の開発に成功
平成26年2月11日
科学技術振興機構(JST)
医薬基盤研究所
北九州市立大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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JST課題達成型基礎研究の一環として、
独立行政法人 医薬基盤研究所の石井 健
プロジェクトリーダー(大阪大学 免疫学
フロンティア研究センター兼任)や
小檜山 康司 研究員らのグループは、
北九州市立大学の櫻井 和朗 教授の
グループと共同で、インフルエンザなどの
感染症に対する強力なワクチンアジュバント
(免疫活性化分子)注1)の開発に成功
しました。
アジュバントは、ワクチンの効果を高める
目的で抗原注2)とともに投与される物質
または分子であり、安全で効果的な
ワクチン開発のために、全世界で
アジュバントの開発競争が行われています。
これまで、合成核酸CpGオリゴ
デオキシヌクレオチド(CpG ODN)
注3)と呼ばれる、短い配列の特殊な
DNAが強いアジュバント効果を持つこと
が知られていましたが、いくつかの効果の
強いCpG ODNは生体内で凝集を
起こし不安定であったり、霊長類では効果
が少ないなど実用化に向けて課題が
ありました。
研究グループは今回、CpG ODNを
多糖(β-1,3グルカン)で包んだ、
新たなアジュバント(K3-SPG)の
開発に成功しました。
このナノ粒子のK3-SPGを
インフルエンザワクチンと一緒に投与する
と、マウスだけでなくカニクイザルでも
強いアジュバント効果を発揮し、これまで
懸念されていたマウスと霊長類での反応性
の違いを克服できました。
また、K3-SPGは接種後に速やかに
リンパ節注4)へと移行し、リンパ節表面
の細胞に特異的に取り込まれたあとに、
強力に免疫細胞を活性化していることが
明らかとなりました。
今回の成果は、新規アジュバントの開発
を大きく前進させるとともに、これまで
効果が乏しかった抗がん薬や
抗アレルギー薬をはじめ、感染症以外の
さまざまなワクチンでの利用も期待
されます。
本研究成果は、2014年2月10日
(米国時間)の週に米国科学誌
「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」
のオンライン速報版で公開されます。
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Good Newsです。
>この新規アジュバントの製剤化に成功
>すれば、インフルエンザワクチンの
>アジュバントや、がんワクチンやほかの
>感染症のワクチンへの応用も可能であり、
>新規ワクチンまたは治療法の開発が期待
>されます。
期待したい。
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