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2014年4月 6日 (日)

世界最高出力の孤立アト秒パルスレーザーを開発 -孤立アト秒パルスの高出力化の道を開くことに成功-

2013年10月25日
独立行政法人理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 究極の高速運動とされているものに
「原子内の電子の動き」があります。
 
 例えば水素原子内での電子の周回運動
時間は150アト秒といわれています。
 
 1アト秒は100京分の1秒(10-18秒)です
から、いかに短い時間であるかお分りに
なるでしょう。
 
 「いや、とても想像がつかない」という
のが本音かもしれません。
 
 私たちが日常、なんとか意識できるのは
せいぜい1,000分の1秒、陸上100m競争での
1cm弱の差、それも写真判定によるもの
くらいですから。
 
 超高速現象を観察するためには、その
現場を明るく照らす超高速のストロボが
必要です。
 
 それが「アト秒パルスレーザー」と
呼ばれる、パルス幅(ストロボが瞬く時間)
が極端に短いレーザーです。
 
 パルス幅が短ければ短いほどより速い
現象を観察することができます。
 
 究極の高速運動の観察を目指して、
世界の多くの研究者がアト秒パルスの
時間幅を短縮しようとしのぎを削って
きました。
 
 しかし、この10年間ほどで開発された
アト秒パルスの出力は低く、様々なこと
に利用するのが難しい状況が続いて
いました。
 
 理研の研究者らのグループは、アト秒の
時間幅を保ちながら、高強度(出力の高い)
且つ時間的に孤立(単一な)したアト秒
パルスを発生できる手法の開発を目指し
ました。
 
 これは時間的に一度だけとても強く光る、
強力なアト秒パルスが得られる手法です。
 
 研究グループは、2010年に2つの波長を
混ぜ合わせた2波長合成レーザーを用い、
簡易に単一アト秒パルスを作り出す方法を
開発しています。
 
 今回の開発では、この2波長合成レーザー
を励起光として使い、さらに励起レーザー
を緩やかにアト秒パルス発生媒質
(キセノンガス)に集光する独自技術を
組み合わせました。
 
 その結果、極端紫外光(XUV)領域で、
パルス幅500アト秒、瞬間出力が世界最高の
2.6ギガワットという非常に強いアト秒
パルスの発生に成功しました。
 
 従来法と比較すると100倍以上の高出力化
を実現したことになります。
 
 例えば、これまで実現されたアト秒
パルスレーザーの強さをロウソクの光に
例えると、今回実現されたアト秒パルス
の強さは 100 W 電球くらいになります。
 
 さらに、従来は10万分の1程度だった
励起レーザー光からアト秒パルスへの
変換効率も10倍以上改善しました。
 
 この成果は、今後、XUVよりさらに
波長の短い、軟X線域からX線域の高強度
アト秒パルスレーザーを開発する時の
指針になります。
 
 そして、電子同士の超高速相互作用や
アト秒領域での非線形光学研究などの未知
の領域の開拓につながります。
 
 詳細はこちら。
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 良いですね。
 
 さらに高速な運動体の観測が可能に
なります。
 
 期待したい。

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