レトロウイルスが免疫逃れる仕組み発見
2014年04月14日
サイエンスポータル科学ニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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エイズなどのレトロウイルスは胸腺に
感染して、自らを宿主の一部であるかの
ように偽装し、免疫による監視から逃れて
いる。
こうした巧みな仕組みを、近畿大学医学部
免疫学教室の高村史記(たかむら しき)講師
と宮澤正顯(みやざわ まさあき)教授らが
マウスの実験で解明した。
将来、エイズや肝炎などウイルスが起こす
慢性感染症の治療や予防の新しい戦略にも
つながる発見と期待されている。
3月20日付の米科学誌プロスパソジェンズ
に発表した。
一般に、体内の細胞にウイルスが感染
すると、免疫のキラーT細胞によって攻撃、
破壊される。
キラーT細胞になる前のリンパ球は、
宿主自身の正常細胞を誤って攻撃する
ことがないよう、胸腺で教育を受けて
から全身に行きわたっていく。
研究グループは、マウスに感染する
レトロウイルス(遺伝子がRNA、逆転写酵素
を持つ)で実験した。
このレトロウイルスは胸腺に感染して、
ウイルスタンパク質をどんどん発現し、
宿主の一部かのように偽装した。
いわば、キラーT細胞に分化する前の
リンパ球に対して、レトロウイルスを
自己と認識して攻撃しないよう、誤った
早期教育を行っていた。
これで、レトロウイルスは自らを攻撃
する免疫細胞が出現することを防いでいる
といえる。
キラーT細胞は、ほかのウイルス感染細胞
に対しては攻撃でき、免疫力を発揮する。
外部関連リンク
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嫌らしい話しです。
だからエイズなどのレトロウイルスは
やっかいなんですね。
>子どもがエイズに感染すると、免疫機能
>の中枢の胸腺がやられる傾向が強いので、
>末梢の免疫機能低下とは別に、
>この仕組みは重要だろう。
>結核菌などほかの微生物でも、慢性感染
>する場合、今回見つかった仕組みが
>働いているようだ。
>慢性化する感染症では、胸腺への
>ウイルス浸入を防ぐことが有効かも
>しれない」と話している。
さらなる解明に期待しています。
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