コラム:巨額貿易赤字が示す経済構造の大変化=佐々木融氏
2014年01月30日 ロイター
詳細は、リンクを参照して下さい。
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佐々木融 JPモルガン・チェース銀行
債券為替調査部長
日本の貿易収支はここ数年、急速に悪化
している。
東日本大震災前の10年
(6.6兆円の黒字)以降の3年間で実に
18.1兆円も悪化した。
こうしたことが話題になる時、しばしば
「原発の稼働停止によりエネルギーの輸入
が増加して」という枕詞がつくことがある。
だが、それは事実と異なる。
結論から先に言えば、過去3年間の
18.1兆円の貿易収支悪化のうち、
約7.5兆円はエネルギー価格の上昇と
円安が理由である。
この部分はエネルギーの輸入量が増加
したことが要因ではなく、価格要因
である。
要するに、貿易収支悪化の主因を
原発の稼働停止に伴うエネルギー輸入の
増加に求めるのは正しくない。
7.5兆円分について適切な枕詞を
考えるならば、「原油価格などの
エネルギー価格上昇と円安の相乗効果
によって」ということになろう。
では、残りの10.6兆円は何で説明
できるのか。
筆者の試算では、大部分は対アジア
貿易収支の悪化で説明可能だ。
アジアからの輸入で多いのは、
「一般機械」「電気機器」
「衣類・同付属品」である。
これらの項目はアジアからの輸入額が
全体の輸入額の7―9割を占めている。
そして昨年、特に増加したのも
これらの輸入品だ。
「一般機械」は前年比17.8%、
「電気機器」は同23.4%、
「衣類・同付属品」は同20.9%の増加
となっており、これらだけで昨年の
アジアからの輸入額増加の半分以上を
説明している。
こうした状況は明らかに、製造業が
過去数年間、生産をアジア諸国にシフト
していった結果だろう。
日本は景気が良くなって人々がものを
多く買い始めると、輸入が大きく増える
構造になっていると考えられる。
逆に、円安になっても輸出数量が伸び
ないのも同じ理由によるものだろう。
日本の貿易収支の急速な悪化は、原発の
稼動停止が原因なのではなく、経済構造の
変化によるものとの認識を持つことが
必要だ。
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心配ですね。
安倍首相は、貿易赤字が定着することは
ないと言っているようだが、私はそうは
ならないと思う。
←認識が間違っていると考えます。
何故なら、いろいろなニュースや
前期記事に述べられているように、
原油価格などのエネルギー価格上昇と
円安の相乗効果による輸入価格の上昇と
製造業が過去数年間、生産をアジア諸国に
シフトしていった経済構造の変化により
円安になっても輸出が増えない構造に
なっていることによると思います。
そうなら、その構造が変わらない限り
日本は貿易赤字が定着する経済になって
いると言わざるを得なく、経済も高齢化
しているということです。
その認識を政治家には是非持って
貰いたい。
貿易赤字が定着すれば、いずれ借金
は海外に頼らざるを得なくなり(国内では
賄いきれないので)あっと言う間に債権国
になるでしょう。
そうならないた為の100年の計の立案と
実施を託せる政治家に出てきて欲しい。
と切に願っています。
明るい未来が見えません。
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