がんの征圧は間近か!? - 鳥取大、悪性度の高い未分化がんを正常細胞に転換
2014/01/28 マイナビニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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鳥取大学は1月25日、クローニングした
RNA遺伝子に関連して発現変動する単一の
「マイクロRNA」を悪性度の高い未分化がん
に導入したところ、容易に悪性度を喪失
させることができ、正常幹細胞へ形質転換
できることを発表した。
成果は、鳥取大 医学部病態解析医学講座
薬物治療学分野の三浦典正 准教授らの
研究チームによるもの。
研究の詳細な内容は、1月24日付けで
英オンライン総合学術誌
「Scientific Reports」に掲載された。
三浦准教授は、自身のクローニングした
遺伝子がRNA遺伝子であり、がんの第1抗原
と目されてきた「ヒトテロメレース逆転写
酵素遺伝子(hTERT)」と関連して、特に
未分化なヒトがん細胞において、その発現
を制御させる性質を持つ特異な遺伝子
として、また発がんやがんの悪性度に
関わる遺伝子として機能解析を
これまでしてきた。
今回、そのRNA遺伝子を「shRNA法」という
遺伝子発現を抑制する手法により、
10種程度のヒトマイクロRNAによって発現
変動することが究明されたのである。
そしてその1つ1つをがん細胞の中へ導入
することで、最もがんを制御できる有効な
ものが検討された次第だ。
その結果「miR-520d」が三浦准教授らが
"驚異的"とも表現する現象を誘導したので
ある。
今回の研究では、まず未分化な肝がん細胞
がmiR-520dにより、12時間程度でP53、
Nanog、Oct4陽性の細胞へ変化し、
miR-520d導入細胞がマウスでそのがんとは
まったく異なる組織(奇形腫や正常肝臓
組織)を形成したり、腫瘍をまったく形成
しなかったりすることが確認された
のである。
高分化型がんでも1カ月程度で同様の
細胞へ変化することも判明した。
このことは、悪性度の高い低分化なもの
ほど容易に良性形質になりやすいことを
意味するという。
この結果からメカニズムの解析が進め
られると同時に、治療的効果の検討も
行われており、脱メチル化による脱分化
誘導がその原因の1つであることが証明
された。
ほかのがんでも派生元の細胞の性質を
より強く持つまったく異なる細胞へ
形質転換できることから、多くの未分化な
がん細胞で有用な分子であることがわかった
とする。
たった1つの生体分子が、このように
劇的にがん細胞の状態を変えてしまうこと
は、がん根絶の夢が目前に来ており、
この領域の研究および製剤開発が推し
進められることで早期に実現する可能性
が高まったとした。
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良さそうです。
今までとは全く異なったアプローチに
なりますね。
がんの征圧とはちょっと大げさな気も
しますが、今後に大いに期待したい。
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