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2014年1月23日 (木)

ノーベル賞受賞者利根川進氏による日本の脳研究の現状とこれから

2014/01/15 マイナビニュース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
脳科学を扱う部門の脳科学総合研究
センター(BSI:Brain Science Institute)
の紹介と、利根川センター長の講演内容
になります。
 
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 最近、日本では米国の国立衛生研究所
(NIH:National Institutes of Health)の
モデルを使って、応用研究に国がもっと
投資するようにしようという政府の動き
がある。
 
 この動きに対して、利根川センター長は
信じられないという。
 
 NIHは応用研究だけを追求している組織
ではなく、研究者が申請することで
日本の科学研究費(科研費)に当たるもの
を助成するようなことを主に行っている
組織である。
 
 そのため、NIHが研究費を助成している
のは、ほとんどが基礎研究だという。
 
 応用研究のみに的を絞って活動している
わけではないのである。
 
 基礎研究によって成果が出て応用研究に
役立つ可能性が出てきたとすれば、それは
もちろんスルーするわけではない。
 
 しかし、基本は基礎研究に注力している
というわけだ。
 
 ところが、日本では政府関係者の誰かが
誤解してしまい、応用研究を主眼にした
日本版NIHを作るとし、そこにかけるお金を
新たに用意するのではなく、日本の
基礎研究に使われていた科研費をかなり
減らしてその分を回して、もっと
応用研究を盛んにするようにする、
というのである。
 
 こんなことは、信じられないと利根川
センター長はいう。
 
 そして、「こんなことが起こると、
大変なことになる」とも続ける。
 
 利根川センター長は、このように、
世の中の数多くの人命を救うなどとても
役に立っている薬剤はすべて基礎研究が
あって生まれてきたものであり、
基礎研究がなかったら応用も何もない
ことを理解してほしいとした。
 
 続いて、税金をどのように研究に使うか、
という話。
 
 よく、科学者・研究者に対しては、
「これだけ税金を使っているのだから、
社会に役立つことをやれ」ということが
良く言われるという。
 
 「これだけ金を使っているんだから、
早くアルツハイマーなどの薬を開発しろ!」
などというわけだ。
 
 アルツハイマーの特効薬を早く作れ、
などといわれても、実際のところ、
まだ記憶の仕組みも一部しかわかって
おらず、まだまだわからないことが
山ほどあるのだ。
 
 よって、「そんな簡単にはできません」
と利根川センター長は断言。
 
 基礎研究というものは時間がかかり、
やってみないとわからないことも
いっぱいあり、月にロケットを飛ばす
といったこととはまた全然違うのだ
という。
 
 基礎研究は、現在とることが可能な
手段を使って研究しようということなので、
「5年以内に薬を作れ」などといわれても、
「そんなものはできるかどうかわからない。
 
 できるかも知れないけど、できないかも
知れない」のである。
 
 基礎研究はそういう研究だからこそ、
国が税金を使って長期のサポートをして
やるべきもの、というわけだ。
 
 その結果としてある程度の基礎知識を
得られたら、それを薬の開発に役立てて
いこうというのは、本来は企業がやるべき
ものであるとする。
 
 薬の開発は国がやるべきものではなく、
世界でも企業が行っているのが当たり前
だという。
 
 日本の場合、ベンチャーキャピタルが
少ないことがまず違うとする。
 
 利根川センター長が個人的に思うところ
としては、投資の見返りを求めるので
あれば、大学やBSIのような基礎研究を
やっているところに、
トランスレーショナルリサーチをやれ
というのではなくて、ベンチャーキャピタル
を育む政策を、もっと強く導入すべきだ
とした。
 
 例えば、ベンチャーキャピタルを作ろう
としている人たちを税制措置で優遇する
などして育てるべきだろうという。
 
 利根川センター長は米国の様子を見て
きており、肌でそうしたことを感じて
いるとしている。
 
 「脳科学の将来について」。
 
 先ほども触れられたことだが、脳科学は
ほかの科学の分野に比べて後発である。
 
 なぜ後発かというのは、複雑だからだ。
 
 1990年代は米国コングレス脳神経
外科学会が「脳の10年
(ディケイド・オブ・ザ・ブレイン)」と
宣言し、脳科学をもっと進展させよう
ということで、それを実施してきた。
 
 現代の科学技術で10年という時間を
かけて調べればさまざまなことが
わかりそうだが、利根川センター長
によれば「たったの10年なんかで脳が
わかるわけがない」という。
 
 この21世紀こそが(宣言されたわけ
ではないが)、「脳の世紀」ということ
で、100年をかけてさまざまな発見が続く
だろうが、実際には「1世紀程度では
全容が解明するわけなんかない」という。
 
 そのぐらい脳はわからないものなのだ。
 
 それにも関わらず、日本では、誰が
いい出したのかはわからないということ
だが(税金を分配する人たちらしいが)、
日本でもかなりの額を脳研究に投資して
おり、終わってから10年経つのだから、
「もういいだろう」という声が上がって
いるとする。
 
 これだけ投資したのだから、もっと
ほかのところに投資すべきだと。
 
 利根川センター長は、そういう話を
聞くと、そんなことをいい出す人は
「まったくサイエンスがわかっていない」
とした。
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 全く同感です。
 
 科学者はたいへんですね。
 
 こんな状況では、優秀な研究者は
米国へ行きたくなって当然だと思います。
 
 本当の研究ができる所へ、
 
好奇心を満たせるところ、
 
知りたいことを追求出来る所へ、
行きたくなりますね。
 
 

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