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2014年1月27日 (月)

人工ロジウムの開発に成功

平成26年1月22日
京都大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 京都大学 大学院理学研究科の北川 宏
教授の研究グループは、パラジウム(Pd)
とルテニウム(Ru)が原子レベルで
混ざった新しい合金の開発に成功しました。
 
 従来PdとRuは2000℃以上の液体
の状態においても相分離注1)する、
言わば水と油の関係であり、原子レベルで
混じらないのが常識でした。
 
 今回、ナノサイズ効果に注目し、
化学的還元法により、PdとRuが初めて
原子レベルで固溶した合金ナノ粒子を
得ることに成功しました。
 
 この合金は、周期表上でRuとPdの
間に位置する最も高価なロジウム(Rh)
と等価な電子状態を持つことから、
価格が1/3の人工的なロジウムとして
期待されます。
 
 家庭で使用されている
燃料電池コジェネレーションシステム
「エネファーム」では、金属Ru触媒が
稀少金属の白金の耐被毒触媒として使用
されています。
 
 今回開発したPdとRuが原子レベルで
混ざった合金触媒は、現在実用化されて
いるRu触媒に比べて、有害な一酸化炭素
を除去する性能がより優れていることが
わかりました。
 
 また、RuとPd元素の中間位置に存在
するRhの触媒活性よりも優れています
(図1)。
 
 以上の研究成果は、言い換えれば、
PdとRuを混ぜることによりこれまで
存在し得なかったPd1-XRuX
(0<x<1)という新元素とも言える
物質を発見したということです。
 
 このことにより、燃料電池で使用されて
いる高価な白金触媒の耐久性が向上し、
エネファームの耐用年数が画期的に延びる
ことが期待されます。
 
 また、自動車排ガス浄化触媒として
使われるロジウム触媒の性能を凌ぐことが
期待され、最も高価な貴金属元素である
ロジウムの価格を1/3以下に下げるもの
です。
 
 今後、コストの関係でロジウムを使用
できない場面においても今回開発した合金
を用いることで、ロジウムと同等もしくは
それ以上の性能を発揮することが可能と
なります。
 
 今回の研究は、独立行政法人 科学技術
振興機構(JST) 戦略的創造研究推進
事業 チーム型研究(CREST)の
研究領域「元素戦略を基軸とする物質
・材料の革新的機能の創出」における
研究課題「元素間融合を基軸とする
新機能性物質・材料の開発」の一環として
行われたものです。
 
 本研究成果は、当該分野トップジャーナル
である米国化学会誌
「Journal of the 
American Chemical
 Society」のオンライン速報版
で近日中に公開される予定です。
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 これまた素晴らしい。
 
>以上の研究成果は、言い換えれば、
>PdとRuを混ぜることにより
>これまで存在し得なかった
>Pd1-XRuX(0<x<1)
>という新元素とも言える物質を発見
>したということです。
 
 ということで、以下のことが実現
されます。
 
1.燃料電池で使用されている高価な
 白金触媒の耐久性が向上し、
 エネファームの耐用年数が画期的に
 延びることが期待されます。
 
2.また、自動車排ガス浄化触媒として
 使われるロジウム触媒の性能を凌ぐ
 ことが期待され、最も高価な
 貴金属元素であるロジウムの価格を
 1/3以下に下げるものです。
 
 とのことです。
 
 今後に期待ですね。

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