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2014年1月 2日 (木)

遺伝子発現を抑制するポリコム複合体が活性化も制御

2013年12月27日
独立行政法人理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所は、マウスの胚を用い、
遺伝子の発現を抑制すると考えられてきた
「ポリコム複合体[1]」が、遺伝子発現の
活性化にも関わっていることを明らかに
しました。
 
 これは、理研統合生命医科学研究センター
(小安重夫センター長代行) 免疫器官形成
研究グループの近藤隆研究生、
古関明彦グループディレクター
(副センター長)らの研究グループの成果
です。
 
 細胞が未分化の状態から特定の細胞へと
分化する運命決定には、どの遺伝子が
いつどこで発現(オン)するか、
あるいは抑制(オフ)するかといった
遺伝子発現の切り換えが深く関わって
います。
 
 この遺伝子発現のオン・オフの切り換え
を管理しているのが、ポリコムタンパク質
群です。
 
 ポリコムタンパク質群は、その標的となる
遺伝子の特定の領域で、巨大なポリコム
複合体を形成し、標的遺伝子の発現を抑制
することが知られていました。
 
 しかし、ポリコム複合体が遺伝子のどの
領域に結合し、遺伝子発現を制御している
のかなど、詳細な分子メカニズムは解明
されていませんでした。
 
 研究グループは、中脳の形成に重要な
Meis2 [2]という遺伝子に着目して、
ポリコム複合体による遺伝子の発現制御の
仕組みを調べました。
 
 その結果、ポリコム複合体は、Meis2が
不要な時期には、遺伝子転写に必要な領域
「プロモーター[3]」と遺伝子の抑制制御
領域「サイレンサー[4]」に結合し、
Meis2の発現を抑制していることが分かり
ました。
 
 また一方で、Meis2が必要な時期がくると、
ポリコム複合体が染色体の高次構造[5]を
変化させて、遺伝子の転写活性化領域
「エンハンサー[6]」をプロモーターに
引き寄せ、遺伝子発現を活性化している
ことが明らかになりました。
 
 これは、ポリコム複合体が、遺伝子の
発現を抑制すると同時に、活性化する役割
も担っていることを示唆しています。
 
 本研究成果は、米国の科学雑誌
『Developmental Cell』
(2014年1月13日号)に掲載される
に先立ち、オンライン版
(12月26日付け:日本時間12月27日)に
掲載されました。
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 遺伝子発現の制御って本当に複雑ですね。
 
>このような遺伝子の発現調節メカニズム
>は、細胞の正常な分化・脱分化の過程の
>解明、ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞
>(人工多能性幹細胞)の分化の
>コントロールなど、発生にかかわる
>さまざまな面で大変重要です。
 
 そうですね。
 
 乗り越えなくてはいけない課題が
山積です。
 
 今回の成果が解決に貢献することを
期待しています。

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