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2014年1月 1日 (水)

「神経幹細胞の自己複製を制御する仕組みを解明」

平成25年12月25日
国立大学法人 東京医科歯科大学
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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【ポイント】
 
・神経幹細胞が自己複製する際は増殖
 すると同時に、ニューロンや
 アストロサイトなどに分化しないこと
 が重要です。
 しかし、その詳しい仕組みについては
 解明されていませんでした。
 
・本研究で、増殖を促す細胞内分子
 サイクリン D1 が、神経幹細胞を増殖
 させる一方で、アストロサイトへの分化
 を抑制することを新たに発見しました。
 
・この発見は神経幹細胞にとどまらず、
 多くの臓器の幹細胞がどのように
 自己複製するかを理解するための重要な
 手掛かりになります。
 
 
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 東京医科歯科大学 難治疾患研究所
幹細胞制御分野の田賀哲也教授と
鹿川哲史准教授の研究グループは、
神経幹細胞が自身を枯渇させないように
自己複製する仕組みを解明しました。
 
 この研究は文部科学省研究費補助金、
武田科学振興財団研究助成金、ならびに
難治疾患共同研究経費の支援のもと、
主に大学院生の備前典久によって行われた
もので、その研究成果は、米国科学誌
STEM CELLS (ステムセルズ)のオンライン
速報版で 2013 年 12 月 3 日付で公表
され、2014 年の同誌に掲載予定です。
 
 
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【研究の背景】
 
 神経幹細胞は、脳を構成する主要な細胞
(ニューロンやアストロサイトなど)を
生み出す能力を持っていますが、全て分化
してしまうと神経幹細胞が枯渇します。
 
 それを防ぐために自身を複製する
「自己複製」の能力も持っています。
 
 神経幹細胞はヒトを含めた哺乳類の脳
において、胎児から大人まで一生に
わたって存在しており、分裂しながら
必要な細胞を供給することで、脳の構築と、
その後の高次機能維持に重要な役割を
果たしています。
 
 したがって、神経幹細胞がどのように
自己複製するかを理解することは、治療が
困難な脳や脊髄の損傷あるいは神経疾患の
克服に取り組む上で極めて重要ですが、
その仕組みの詳細は不明でした。
 
 
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【研究成果の概要】
 
 この研究では、神経幹細胞の増殖の鍵
となる分子であるサイクリン D1 が、
アストロサイトの分化を促す機構の鍵
となる分子 STAT3 の働きを妨げることで、
アストロサイトへの分化を抑制することを
発見しました。
 
 このことから、サイクリン D1 には
細胞増殖を促進するという従来知られて
いる働きの他に、神経幹細胞の分化を抑制
するという別の機能があることが新たに
わかりました。
 
 
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【研究成果の意義】
 
 この研究成果は、本研究チームが以前に
神経幹細胞が自己複製するときに
ニューロン分化が抑制される仕組みを
明らかにしたことに続き、
アストロサイト分化が抑制される仕組みも
解明した(図 2 右)ことで、神経幹細胞が
増殖するときになぜ分化しないままで
いられるのかという疑問を解決する新たな
発見(図3右)として極めて重要なものです。
 
 この発見は神経幹細胞だけにとどまらず、
多くの臓器の幹細胞がどのように自己複製
するかを理解するための手掛かりになると
考えられます。
 
 この成果は、幹細胞の意図的な増幅や
目的とする種類の細胞への分化を人為的
かつ効率的に促すための手立てになる
可能性があり、難治性疾患の治療法開発
への応用が期待されます。
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>神経幹細胞が増殖するときになぜ
>分化しないままでいられるのかという
>疑問を解決する新たな発見(図3右)
>として極めて重要なもの
 だそうです。
 
 極、当たり前に起こっていることなのに
殆どわかっていないことばかりという感じ
ですね。
 
 生物の不思議をほぼ理解出来たと
言えるのは、いつ頃になるのでしょうか?
 
 遙かな時間を必要としそうです。
 
 研究とは、ほんの少しずつ解明して行く。
 その繰り返しなんですね。

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