光合成によるバイオプラスチックの生産効率で世界最高レベル達成
2014年1月23日
独立行政法人理化学研究所
詳細は、リンクを参照して下さい。
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私たちの身の回りには、石油由来の
プラスチック製品があふれています。
これらのプラスチックは埋設処理しても
地中に残留し、生態系への影響も懸念
されています。
これに対し、微生物が作り出す
バイオプラスチックは、生分解性を備える
など環境への負荷が少なく、CO2の削減も
期待されています。
すでに飲料容器や、自動車の内装、
パソコンなど多様な用途に使われ始めて
います。
微生物による分解性(生分解性)を
備えた材料も開発され、石油由来の
プラスチックにはない環境負荷低減効果
が期待されています。
バイオプラスチックの1つで天然の
ポリエステルと呼ばれている
「ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)」の
生産には微生物が使われています。
しかし、微生物の培養には大量の糖と、
培養するための設備が必要とされ、
コスト面で課題がありました。
理研の研究者らの共同研究グループは、
生産コストの低減と生産性向上を目的に、
新たなPHA生産法の確立に取り組みました。
共同研究グループは、実験に使用する
藻類として「自然界のバイオリアクター」
とされ、繁殖力が非常に大きな「ラン藻」
に着目しました。
藻類はCO2を炭素源にした光合成
によって、他の栄養源を必要とせずに生育
できます。
そこで、ラン藻に
バイオプラスチック合成に関わる遺伝子を
導入し、光合成によるバイオプラスチック
合成を試みました。
これが可能になれば、太陽光と、糖を
含まない無機塩類の培養液さえあれば、
大気中のCO2からプラスチチックの生産が
可能になります。
実験では、ラン藻に3種類の別々の
微生物由来の遺伝子を導入して光合成を
行いました。
その結果、ラン藻の乾燥重量の14%
にあたるPHAを合成できました。
この値は光合成だけのPHAの生産性で
世界最高値になります。
さらに、炭素源として酢酸の希釈液を
加えたところ、世界トップレベルの
同41%までPHAの生産性を高めることが
できました。
この成果を活用することによって、
太陽光によるクリーンで安全、かつ
コスト競争力に優れたバイオプラスチック
の生産プロセス構築が進むものと期待
できます。
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素晴らしい。
>ラン藻の乾燥重量の14%にあたるPHAを
>合成できました。
>この値は光合成だけのPHAの生産性で
>世界最高値になります。
>さらに、炭素源として酢酸の希釈液を
>加えたところ、世界トップレベルの
>同41%までPHAの生産性を高めることが
>できました。
これでどの位工業化に近づいたので
しょうか?
今後にさらに期待したい。
この研究の続きですね。
2013年7月17日
着実に進んでいますね。
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