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2013年12月16日 (月)

高い細胞接着性を持つ生体に優しいプラスチックの開発に成功

平成25年12月12日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
学校法人早稲田大学
国立大学法人大阪大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 独立行政法人日本原子力研究開発機構
量子ビーム応用研究部門環境材料
プロセシング研究グループの大山智子
任期付研究員は、学校法人早稲田大学
理工学術院の大島明博客員准教授、
鷲尾方一教授、国立大学法人大阪大学
産業科学研究所の田川精一招聘教授らと
共同で、集束イオンビーム1)を使う
ことにより、局所的に細胞接着性の高い
部分を持つ生体に優しいプラスチックの
開発に成功しました。
 
 医療や医療応用に向けたバイオ研究の
先端技術である医療マイクロマシン2)や
lab-on-a-chip(ラボチップ)3)の開発
では、細胞接着性をはじめとする特定の
機能を自由に制御した生体親和性材料の
創製がカギとなります。
 
 生体親和材料は熱に弱いものが多く、
微細な加工を精密に行うことは困難でした。
 
 この課題を解決するために
集束イオンビームを使った微細加工4)
技術の最適化を行い、熱に弱いプラスチック
でも、60 nm幅の溝などの超微細構造を
±10 nm以下の精度で加工することに成功
しました。
 
 さらに、加工と同時に
ダイヤモンド・ライク・カーボン5)様の
表面状態を作ることで、局所的に
細胞接着性の強弱を制御することが可能
になりました。
 
 今後も材料表面の微細加工技術
(形状パターニング)と局所的な機能化
(機能パターニング)という2つの技術
の融合による材料創製技術の高度化を進め、
医療材料の実用化を進めていきます。
 
 本研究成果は、米国の応用物理学専門誌
『Applied Physics Letters』オンライン版
に10月15日に掲載されました。
 
 
 本研究では、生体適合性と生分解性を
併せ持つポリ乳酸6)を試料として選択
しました。
 
 ポリ乳酸は、治癒後に体内で
分解・吸収される縫合糸やインプラント
などに使われている代表的な
医用プラスチックです。
 
 ポリ乳酸フィルムに直径50 nm 以下に
絞った加速電圧30 kVのガリウムFIBを
照射し、照射条件が加工精度に及ぼす影響
を調べました。
 
 その結果、照射線量や線量率の増加に
伴い加工できる深さは増すものの、
徐々に表面が荒れたりエッジが丸く
なったりと、加工精度が劣化しました。
 
 ポリ乳酸はガラス転移7)温度(約60℃)
以上で容易に熱変形を起こすため、
より加熱される加工条件
(高線量・高線量率・大面積照射)や熱が
拡散しにくい試料条件(厚い試料)では
精密な加工が困難であることが分かり
ました。
 
 こうした加工条件の検討をもとに、
線量率や試料の作製方法など最適化する
ことによって熱の効果を抑制し、
直径80 nmの穴(図1A)や幅60 nmの溝
(図1B)を作ることに成功しました。
 
 この方法を使うと任意形状を精密に加工
でき、図1Cのような突起構造を作ったり、
図1Dのような文字列を書いたりすること
もできます。
 
 さらに、照射により掘削した溝の底面の
化学結合変化を、X線光電子分光法(XPS)8)
を用いて分析した結果、図2に示すように、
照射によって炭素の二重結合(C=C)が増加
したことが分かりました。
 
 このことは、物理スパッタと放射線分解
反応による分解物の脱離によって酸素と
水素が減少し、試料表面がDLC様の表面状態
に変化したことを示しています。
 
 DLC様の表面はC=Cの割合によって
細胞接着性の強弱が変わることが報告
されており、FIBを用いた微細加工技術
によって、局所的に高い細胞接着性を
付与した生体に優しいプラスチックが
開発できました。
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>局所的に高い細胞接着性を
>付与した生体に優しいプラスチックが
>開発できました。
 
 素晴らしいですね。
 
>本成果は、量子ビームを用いた微細加工
>技術と材料改質技術の融合によって実現
>した新奇材料創製の一例であり、医療や
>医療応用に向けたバイオ研究における
>先端技術である医療マイクロマシンや
>lab-on-a-chip(ラボチップ)に用いる
>生体親和性材料の創製技術として
>今後の応用が期待されることから、
>引き続き、イオンビームや電子線、
>γ線といった様々な量子ビームを
>複合的に利用し、医療やバイオ研究
>に幅広く応用できる材料の開発を
>進めていきます。
 
 
 有機物は土に帰りますが、
プラスチックと言うと土に帰らない、
不変物というイメージを持っていた
のですが、体内に分解・吸収される
ものもあったのですね。
知りませんでした。
 
絹糸で編んだ血管は分解・吸収されて
血管そのものになると言う話しは
聞きましたが、こんなプラスチック
もあったのですね。
 
 そのようなプラスチックに高い
細胞接着性を付与するというのは
素晴らしいことだと思います。
 
 大いに期待したい。

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