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2013年11月19日 (火)

免疫反応の新たなブレーキ役を発見

平成25年11月15日
科学技術振興機構(JST)
千葉大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
〇アレルギー疾患発症は免疫系の過剰反応
 やバランスの乱れが原因です。
 
〇遺伝子発現を抑制するたんぱく質
 「EZH2」分子が免疫反応の
 ブレーキ役として免疫系のバランスを
 調節する機構を解明しました。
 
〇EZH2分子を制御すれば、
 アレルギー疾患の治療への道が開けると
 期待されます。
 
 
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 JST課題達成型基礎研究の一環として、
千葉大学 大学院医学研究院の中山 俊憲
教授らのグループは、遺伝子発現を抑制
するたんぱく質「EZH2」分子が
免疫反応のブレーキ役であることを発見
しました。
 
 ぜんそく、アトピー性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患は
増加の一途をたどっており、国民の約3割
がこれに罹患しているとの報告もあります。
 
 従来のアレルギー疾患に対する治療法は
対症療法しかなく、根治療法の開発が
望まれています。
 
 本研究グループは、遺伝子発現を抑制
するたんぱく質として知られていた
EZH2が、免疫系にも作用して過剰な
免疫応答を抑える働きがあることを
明らかにしました。
 
 さらに、EZH2結合遺伝子の
遺伝子地図注1)を作製することで、
EZH2が免疫系の遺伝子に直接作用する
機構の一端を解明しました。
 
 今後、EZH2やEZH2が結合して
いるたんぱく質を創薬ターゲットとする
ことで、将来的に慢性の
難治性アレルギー疾患の治療開発に役立つ
ことが期待されます。
 
 また、それとは逆に、免疫力の低下した
患者に対する治療への応用も考えられます。
 
 本研究は、理化学研究所 統合生命医科学
研究センターの古関 明彦
グループディレクター、東京大学の鈴木 穣
教授の協力を得て行いました。
 
 本研究成果は、2013年11月14日
(米国東部時間)発行の米国科学誌
「Immunity」オンライン版に
掲載されます。
 
 
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<研究の背景と経緯>
 アレルギー疾患は、国民の3人に1人
が罹患しているにもかかわらず、未だに
効果的な予防法や根治療法は開発されて
いません。
 
 一旦発症すると慢性化することが多く
治療が長期にわたり、患者の肉体的、
精神的、経済的負担が極めて大きいこと
から、現代医学が解決すべき大きな課題
の1つとなっています。
 
 アレルギー疾患の発症や病態には、
免疫反応が過剰になることが原因となって
います。
 
 免疫反応の司令塔であるヘルパーT
(Th)細胞注2)は、産生する
サイトカイン注3)の種類によって、
免疫反応を活性化に関わるTh1、Th2、
Th17細胞と、
逆に免疫反応の収束や抑制に関わる
制御性T(Treg)細胞に分けられます
(図1)。
 
 これらのT細胞は、通常は互いにバランス
を取りながら正常な免疫反応を担っています
が、バランスが崩れてTh2細胞優位に
なった場合に、アレルギー疾患が発症すると
考えられています。
 
 Th2細胞は、インターロイキン
(IL)-4や、IL-5、IL-13
といったサイトカイン
(Th2サイトカイン)を分泌して、
抗体(IgE)産生や好酸球の
遊走・組織浸潤などを誘発することから、
アレルギー疾患の根幹に位置する細胞で
あると言えます。
 
 本研究グループは、このTh2細胞の
分化や機能を制御することにより
アレルギー反応の抑制が可能となり、
将来的には難治性の慢性アレルギー疾患の
根治療法の開発につながると考えて、
研究を行ってきました。
 
 一方、たんぱく質「EZH2」は
遺伝子に後天的(エピジェネティック)な
作用を加えて遺伝子の発現を抑制する
たんぱく質で、ポリコーム群たんぱく質
注4)と呼ばれます。
 
 ポリコーム群たんぱく質は
元々ショウジョウバエで発見されましたが、
その後の研究によりヒトES細胞などの
幹細胞で重要な働きをしていること、
この変異ががん細胞の発生の引き金に
なることなどが分かってきました。
 
 しかしEZH2の免疫系での働きに
ついてはほとんど解明されて
いませんでした。
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 いつもながら免疫系は不明点が多い。
 
 今回の研究はアレルギー疾患に係わる
ものです。
 
>遺伝子抑制性たんぱく質EZH2は、
>Th1、Th2サイトカインの両方を
>制御する働きがあることから、過剰な
>免疫応答を抑制する基本的な分子
>であると言えます。
 
>ただし生体内での異常から推測すると、
>Th2細胞抑制に対する寄与の方が
>大きいと考えられます。
 と言っています。
 
 Th2細胞の分化や機能を制御すること
によりアレルギー反応の抑制が可能となる。
 →EZH2分子はTh2細胞を抑制出来る
 →アレルギー疾患の治療への道が開ける
 
 ということですね。
 期待したい。

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