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2013年11月11日 (月)

ウナギの蛍光タンパク質が光る仕組み

08 November 2013
RIKEN Research Highlights
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 生きた細胞の中では、絶えず、様々な分子
が生成・分解し、動き回っている。
 
 そんな中で個々の分子を追跡し観察する
ことはそんなに易しくない。
 
 しかし、1990年代に、オワンクラゲが
持つ緑色蛍光タンパク質
(オワンクラゲGFP)の遺伝子が単離されて
以来、百種類を超える蛍光タンパク質が
発見、開発されてきた。
 
 それらを用いて生体内の特定の分子や
細胞を蛍光標識する技術が開発され、
今では当たり前のツールとして盛んに
使われている。
 
 理研脳科学総合研究センター(和光市)の
細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史
チームリーダー(TL)は、キャリアの大半
を蛍光タンパク質に関わる研究に費やして
きた。
 
 このたび、彼の研究チームは、臨床での
有用性が期待されるユニークな
蛍光タンパク質の遺伝子クローニングに
成功した1。
 
 従来の蛍光タンパク質の大半は、クラゲ
やサンゴなどの海洋無脊椎動物に由来する
ものだ。
 
 脊椎動物で蛍光タンパク質の存在が発見
されたのはつい最近のことである。
 
 鹿児島大学で食品化学を研究する
林征一教授がニホンウナギの筋肉から
新奇GFPを精製したのだ(図1)。
 
 2006年のことである。
 
 林教授によるGFP発見の講演を聴いた
その日に、宮脇TLは和光市にあるウナギ
料亭を訪ね、2匹のニホンウナギを譲って
もらってきた。
 
 「さっそく輪切りにして青色の光を照射
したところ、筋肉が神神しく緑色に光る
のが観察されました。
 
 その明るさに仰天しました。
 
 以後、この蛍光に強く引かれ、
ニホンウナギGFP遺伝子のクローニングに
取り組むことになりました」と
宮脇TLは振りかえる。
 
 オワンクラゲGFPを含め従来の
蛍光タンパク質は、自身のペプチドから
発色団を作り上げて蛍光活性を獲得する
ことができる。
 
 一方、ニホンウナギGFPの蛍光の
メカニズムは何なのか?
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>ニホンウナギGFP
>(「UnaG(ユーナジー)」と命名)は、
>ビリルビンという化合物を取り込んで
>蛍光性の発色団に仕立てることができる
>のだ。
 
>研究チームは、大腸菌に作らせたUnaGに
>ビリルビンを加えると一瞬で蛍光が出現
>する現象に注目し、この蛍光タンパク質
>を材料にして非常に簡便な
>ビリルビン測定キットを作製した。
>「我々の測定キットを使用すれば、
>再現性の高い結果を10分以内に得る
>ことができます。
>しかも感度は従来法の約千倍です。
>1000分の1の量のサンプルで測定できる
>ことを意味します」と宮脇TLは語る。
>「しかもこの蛍光タンパク質は
>凍結乾燥しても活性が落ちないことが
>わかり、キットの冷蔵・冷凍が必要
>ないと言えます。
>僻地での診断に役立つことが期待
>されます。」
 
 これだけでも素晴らしい成果ですね。
 
 さらに、
>ビリルビンはそれ自体が酸化されやすい
>ので抗酸化作用を有していると言える。
 
>ニホンウナギの回遊(降流性回遊)
>において、稚魚および成魚は長い距離
>を長い月日をかけて泳ぎ続ける。
>そうした筋肉活動で発生する
>酸化ストレスを効率よく除去する仕組み
>があるはずだ。
>UnaGはそうした仕組みの責任分子
>であると宮脇TLは仮定している。
 
>UnaGは抗酸化物質の貯蔵庫と考えれば
>よいわけです」と宮脇TLはいう。
>UnaGのタンパク質発現はニホンウナギの
>筋肉の中でも細い筋肉繊維に集中して
>おり(図2)、この魚の筋肉生理を
>考察する上で非常に興味深い。
 
>複数の変異体を組み合わせて使い、
>哺乳類動物個体の血管外組織における
>ビリルビンの濃度をイメージングする
>ことを企てている。
>ビリルビン代謝の時空間的制御は、
>まだ誰も足を踏み入れたことのない領域
>である。
 
>さらに、動物個体実験における
>UnaGのメリットが挙げられる。
 
>UnaGは通常の蛍光タンパク質と異なり、
>発色団形成に分子状酸素を必要としない
>ので、固形腫瘍の深部のように
>無(低)酸素状態にある部位においても
>蛍光活性を獲得できると思われる。
>「もちろんビリルビンの供給が前提に
>なります。
 
>UnaG応用の可能性を探り、生命医学研究
>や実際の医療にどこまで貢献できるか
>を突き詰めたいと思っています」と
>宮脇TLは語っている。
 
 貢献出来そうな気がします。
 
>ウナギの筋肉で作られる緑色蛍光
>タンパク質の特異な性質を利用すれば、
>バイオイメージングや臨床診断の分野
>において技術革新を起こすことができる
>だろう
 
 大いに期待したい。

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