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2013年10月16日 (水)

細胞内温度センサーの開発と生体の恒常性を担う熱産生機構の可視化に成功

2013年10月14日 京都大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 森泰生 地球環境学堂教授(工学研究科
合成・生物化学専攻両任)、清中茂樹 同
准教授らの研究グループは、遺伝子工学的
な手法を用いて、細胞内および
細胞内小器官の温度計測を可能とする
温度センサータンパク質を開発し、
世界で初めて生体の恒常性を担う
熱産生機構の可視化に成功しました。
 
 この研究成果が、2013年10月13日13時
(米国東海岸標準時)に、
「Nature Methods」誌電子版に掲載され
ました。
 
 
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概要
 
 恒温動物の体内は、外気温の変化に
よらず常に37度付近に保たれています。
 
 従来の生物学では、すべての生命現象は
生体(細胞)温度が37度付近であるという
前提で研究されてきました。
 
 一方、核やミトコンドリアをはじめ
とする細胞内小器官は、複雑な化学反応を
ともなう固有の機能を担っており、すべての
細胞内小器官の温度が均一であるとは
考えにくいものです。
 
 仮に細胞内温度に不均一性が存在する
なら、温度の不均一性によって生体機能が
制御されている可能性があります。
 
 しかし、これまでに有用な細胞内の
温度計測法は存在せず、その可能性に関して
全く評価されていません。
 
 細胞内の局所で発生した熱はすぐに拡散
してしまいます。
 
 そのため、細胞内の熱産生および
温度分布を計測するためには、まさに熱が
産生されている場所(細胞内小器官)で
温度計測を行う必要がありました。
 
 そのような背景のもと、本研究グループ
は、遺伝子工学的な手法を用いて、細胞内
および細胞内小器官の温度計測を可能
とする温度センサータンパク質
(thermosensor GFP、tsGFP)の開発に
成功しました(図1)。
 
 tsGFPは、サルモネラ菌に存在する
温度感知タンパク質として知られるTlpAを
緑色蛍光タンパク質(GFP)と適切に融合
することで得ました。
 
 TlpAは、単量体と2量体形成との遷移が
37度付近で鋭敏かつ可逆的に起こります。
 
 よって、TlpAを融合したtsGFPは、
37度付近の温度変化を鋭敏に感知し、
その結果、蛍光の変化が起こります
(図1、図2)。
 
 また、tsGFPは、遺伝子でコードされる
ために、非侵襲的に生細胞内・組織内に
導入できます。
 
 細胞内小器官に標的できるシグナル配列
を付与することで、各々の細胞内小器官
における温度計測も可能となります。
 
 温度センサーtsGFPを用いることで、
熱産生組織として考えられていた
褐色脂肪細胞からの熱産生の可視化に
成功しました。
 
 従来は、酸素消費などの間接的な
状況証拠から褐色脂肪細胞が熱産生に
関わると考えられてきましたが、
本研究ではミトコンドリアに発現する
温度センサー(tsGFP1-mito)を用いる
ことで、褐色脂肪細胞内のミトコンドリア
から熱産生が行われていることを初めて
直接的に示しました(図3)。
 
 また、小胞体に発現する温度センサー
(tsGFP1-ER)を用いることで、
非ふるえ熱としての寄与で意見が
分かれていた筋細胞の小胞体からの熱産生
の可視化にも成功し、筋細胞も熱産生を
行うことを直接的に証明しました(図4)。
 
 これらの熱産生細胞は、肥満が問題と
なっている欧米を中心に、
新たな肥満解消方法の標的として着目
されています。
 
 なぜなら、体内のエネルギーを熱の発散
として消費できれば、新たなダイエットに
なるからです。
 
 しかし、これまでは熱産生組織からの
熱産生を直接的に評価できる方法が皆無
であり、熱産生を促す創薬の開発は困難と
されてきました。
 
 一方、本研究成果
(細胞内温度センサーの開発)は、熱産生
を直接的に評価できる方法となり得るので、
本発表により肥満解消薬の開発が加速する
と期待されます。
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 緑色蛍光タンパク質(GFP)いろいろな
ところで役立ちますね。
 
 細胞内の温度計測に利用できるとは、
思っても見ませんでした。
 
>興味深いことに、ミトコンドリア内の
>温度分布はATP合成と関連していました。
>これらの結果は、細胞内の温度の
>不均一性が細胞内機能と関連する可能性
>を示唆します。
 
>すなわち、本研究成果は、細胞内には
>温度の不均一性が存在することを示し、
>その不均一性が生体機能と関連する
>ことを示した世界初の発見と言えます。
 
 素晴らしい。

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