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2013年9月 9日 (月)

水も油もよく撥く柔軟多孔性物質「超撥水・超撥油性マシュマロゲル」の開発に成功 - 汚れを寄せ付けない素材として応用に期待 -

2013年9月6日 京都大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 中西和樹 理学研究科准教授、金森主祥
同助教、早瀬元 博士後期課程学生の
研究グループは、撥水性表面をもつ
柔軟多孔性材料「マシュマロゲル」の
細孔表面に撥油性の分子を結合させて
表面エネルギーを低下させることにより
「超撥水・超撥油性(水滴・油滴とも
接触角が150度以上)マシュマロゲル」の
開発に成功しました。
 
 本研究成果は、独化学誌
「アンゲヴァンテ・へミー・
インターナショナル・エディション
(Angewandte Chemie International
Edition)」オンライン版(2013年9月5日)
に掲載されました。
 
 
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研究手法・成果
 
 本研究グループは数年前より、3官能性
ケイ素アルコキシドと2官能性
ケイ素アルコキシド(図1)を前駆体
(モノマー)として共重合させること
によって得られる、柔軟多孔性材料
「マシュマロゲル」(図2)についての
研究を行っています。
 
 このゲルは前駆体の有機置換基R1や
R2を選択することで、高分子ネットワーク
に機能をもたせることができます。
 
 今回は、有機置換基としてビニル基を
導入して、この研究成果の基礎となる
マシュマロゲルを合成しました。
 
 さまざまな高分子や樹脂が、ビニル基
をもつ化合物を重合させて作られている
ことからも想像できるとおり、ビニル基
は「分子同士をくっつけること」を得意
とする有機基です。
 
 ビニルトリメトキシシラン
(VTMS、R1はビニル基)とビニルメチル
ジメトキシシラン(VMDMS、R2はビニル基)
を共重合したマシュマロゲル(MG1)は
今年1月に発表しており、この柔軟性多孔体
の表面には超撥水性に必要な凹凸形状が
存在することが分かっていました。
 
 超撥水・超撥油性を実現するための課題
は、どのようにしてフッ化アルキル鎖で
表面を分子的に覆うかでした。
 
 本研究グループは、マシュマロゲルの
表面に多く存在するビニル基を、
フッ化アルキル鎖を結合させる足場に
することにしました。
 
 マシュマロゲルはゾル-ゲル法と
呼ばれる方法で得られます(図3上段)。
 
 前述したケイ素アルコキシド前駆体や
カチオン性界面活性剤(図3ではCTAC)
などの試薬を一度に混ぜて出発溶液とし、
密閉条件下で一定温度(典型的には80度)
に保つだけで、簡単に所望の形に合成する
ことができます。
 
 特殊な装置や条件は必要ありません。
 
 このように簡単に作ることができる
マシュマロゲルの表面修飾に複雑な
プロセスを用いては、合成面でのメリット
が失われてしまいます。
 
 そこで私たちは、
チオール-エンクリック反応に注目
しました。
 
 チオール-エンクリック反応は、穏やかな
条件下でビニル基とチオール基(-SH)を
定量的に付加反応させるもので、
グリーンケミストリーの観点からも
注目されている反応です。
 
 私たちはビニル基をたくさんもった
VTMS-VMDMS系マシュマロゲルを有機溶媒
に浸し、そこにフッ化アルキル鎖をもつ
チオール(CF3(CF2)7CH2CH2SH)と
ラジカル開始剤を加えて60度に保ち
ました(図3下)。
 
 半日経過後、未反応物を洗い流して
乾燥させると、多くのフッ化アルキル鎖で
表面が覆われた新しいマシュマロゲル
(MG2)を得ることができました。
 
 得られたゲルMG2に対し、撥油性の評価に
もっともよく用いられるn-ヘキサデカン
との接触角を調べたところ、150度以上を
示しました。
 
 他のさまざまな液体に対しても同様の
結果が得られたことから、
このマシュマロゲルは超撥水・超撥油性を
もつことがわかりました(図4)。
 
 超撥水・超撥油性マシュマロゲルMG2が
示すユニークな現象として、水や油に
沈まず、表面張力のみで液体の上に
「乗る」ことが挙げられます(図5)。
 
 このようなことが可能な物質は
これまでに報告されていません。
 
 全ての細孔表面がフッ化アルキル鎖で
覆われていることと、3次元的な微細構造
を内部にもっていることから、MG2の
超撥水・超撥油性はいかなる切断面にも
表れることが分かりました。
 
 マシュマロゲルは自由に厚みを変える
ことができる塊状体であることから、
コーティング材料とは異なり、最表面が
破壊されても効果を維持し続ける
防汚素材などへの応用が期待できます。
 
 
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波及効果
 
 超撥水・撥油性表面をもつ塊状材料の
作製例はこれまでにありませんでした。
 
 簡易な合成法によって作製できる
超撥水・超撥油性マシュマロゲルは、
今後の超撥水・超撥油性材料研究に
大きな影響を与える可能性があります。
 
 マシュマロゲルの柔らかさや材料の
「厚み」を利用した、これまでに
考えられてこなかった応用も期待
できます。
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 大きな可能性を感じます。
 
>今後の超撥水・超撥油性材料研究に
>大きな影響を与える可能性があります。
 
>マシュマロゲルの柔らかさや材料の
>「厚み」を利用した、これまでに
>考えられてこなかった応用も期待
>できます。
 
 と言っています。
 
 大いに期待したい。

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