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2013年9月 5日 (木)

末梢神経の発生研究から明かされる難病の謎:最新研究の総説

2013年8月23日 京都大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 高橋淑子 理学研究科教授らの
研究グループは、末梢神経系の発生研究
から、ハンセン病を含むさまざまな難病の
原因究明へと繋がる最先端の研究成果
について、幅広い読者を対象とした総説を
発表しました。
 
 本研究成果は、米国科学雑誌「Science」
電子版に2013年8月22日(木曜日)
(米国東海岸標準時)に掲載されました。
 
 
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総説内容
 
 末梢神経系とは、脳・脊髄以外のすべて
の神経系のことをいいます。
 
 痛い、痒い、冷たいなどの感覚に加え、
恒常性を司る自律神経系や腸を調節する
神経も末梢神経系です。
 
 卵から発生が進む過程では、末梢神経
は「神経堤細胞」と呼ばれる特殊な細胞群
からつくられます。
 
 神経堤細胞は、できたばかりの脊髄から
遊走を始め、その後、胚内を広く移動
しながら分化します。
 
 神経堤細胞は末梢神経
(神経細胞とグリア細胞)に加えて、
体表の色素細胞にも分化する幹細胞です。
 
 「神経堤細胞が関与しない器官形成は
存在しない」といわれるほど重要ですが、
実際に胚内を動いている時の様子は謎
でした。
 
 しかし最新の研究
(高橋らScience, 2012, を含む)に
よって、移動中の神経堤細胞を詳しく解析
することで、原因不明の難病解決への道筋
がみえてきました。
 
 まず、神経堤細胞の移動と分化には、
血管が重要な働きをすることが示され
ました
(Saito, et al., Science, 2012)。
 
 血管が神経堤細胞の移動をコントロール
するとともに、血管近くに辿り着いた
神経堤細胞のその後の分化も、血管からの
シグナルが決定します。
 
 このことは、循環器系の異常が
末梢神経系の疾患を引き起こす可能性を
示します(神経系疾患の原因を探る際、
神経系ばかりをみていてはいけない、
ということ)。
 
 他の研究グループからは、神経堤細胞が
組織と組織の間を「ジャンプ」するという
全く新しい現象が報告されました
(Nishiyama et al., Nat Neurosci, 2012)。
 
 細長い腸の上を移動する神経堤細胞
のうち一部の細胞群は、曲がりくねった
腸の間を「近道」します。
 
 高頻度にみられる先天性小児疾患である
ヒルシュスプルング病の理解に大きく貢献
しました。
 
 幹細胞である神経堤細胞が、
未分化→分化と分化→未分化を繰り返す
様子も見えてきました。
 
 たとえば、グリア細胞が神経にまとわり
つくとき、その力が弱いと神経から離脱
します。
 
 そして離脱したものは、その後未分化
状態に戻った後、色素細胞へと転換します。
 
 つまりある条件下では
(手術のときなど)、体の奥深くに潜んで
いたグリア細胞が色素細胞へと変化して
体表に現れるのです。
 
 表皮のみを対象としてきた色素細胞の
研究に、一つの革命をもたらしたと
いってもいいでしょう
(Adameyko et al., Cell, 2009)。
 
 さらに特筆すべきは、ハンセン病の
発症機構が、神経堤細胞の研究によって
明らかになったことです。
 
 ライ菌(ハンセン病の原因となる細菌)
が末梢神経系をターゲットにしていること
は以前より知られていましたが、それが
どのようなしくみで筋肉や結合組織
にまで伝播されるのかは謎でした。
 
 最近の研究から、グリア細胞がライ菌に
感染すると、その後グリア細胞が
リプログラミングを起こし、ライ菌を
もったまま筋肉系の細胞へとその姿を
変えることが示されました
(Masaki et al., Cell, 2013)。
 
 神経堤細胞が本来備えている多分化能
が、ライ菌によって「ハイジャック」
されたのです。
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 難しいですね。
 
 一面だけを見ていては本質を見失うと、
 
>循環器系の異常が末梢神経系の疾患を
>引き起こす可能性を示します
>(神経系疾患の原因を探る際、神経系
>ばかりをみていてはいけない、
>ということ)
 
 又、
>神経堤細胞に特有の多分化能が、
>有効活用される場合と悪用される場合
>があるという「二面性」の発見は、
>今後の難病原因の究明に大きく道を
>開くことになります。
 
 さらに、
>今回の論文では、さまざまな疾患を
>神経堤細胞の視点から明らかにする
>テーマで論じましたが、
>同様の研究は、他の組織にも当て
>はまります
>(例:神経系と免疫系、
>血管と各臓器など)。
>多臓器の間に見られる連関を視野に
>いれた、統合的研究の重要性が増す
>でしょう。
 
 統合的研究ね~
 難しそうですね。
 
 発生、分化の理解をふまえた研究が
必要だといっているようです。

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