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2013年9月23日 (月)

免疫のブレーキPD-1が、自然免疫反応の調節によって免疫難病の発症を抑制することを解明

ことを解明
2013年9月17日 京都大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 本庶佑(ほんじょ たすく) 医学研究科
客員教授、竹馬俊介(ちくま しゅんすけ)
同助教、RUI YUXIANG 同大学院生の
研究グループは、免疫のブレーキとして
働く分子、PD-1を欠損したマウスを
用いて、同分子が自己免疫疾患を抑制する
新たな機構を明らかにしました。
 
 この研究成果は、米国科学アカデミー紀要
(Proceedings of the National Academy of
  Sciences of the United States of
  America)の電子版
(米国東海岸標準時9月16日)に掲載され
ました。
 
 
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方法と結果
 
 ヒト多発性硬化症のマウスモデルとして
知られる、実験的脳脊髄炎(EAE)で
PD-1欠損(ノックアウト:KO)マウスが
症状の悪化を呈することが知られています。
 
 EAEは、マウスに自己の脳抗原を模した
T細胞性抗原と、自然免疫系を活性化する、
免疫賦活剤を同時投与することによって
誘導されます。
 
 PD-1 KOでは、野生型コントロール
(wild-type:WT)に比べ、早期の発症と
重症化が観察されますが、この傾向は
免疫賦活剤に含まれる結核死菌を少なく
していった場合にもっとも顕著でした。
 
 また、追跡調査によって、PD-1 KOの
T細胞がEAEの悪玉細胞である、IL-17産生
ヘルパーT細胞(Th17)に強く分化して
いることがわかりました。
 
 Th17の分化には、T細胞の強い活性化と
自然免疫系が起こす炎症が両方必要である
ことから、PD-1 KOではどちらもの反応が
亢進しているのではないかと考えました。
 
 しかしながら、二つの反応は体内で
同時におこるため、これらを別々に評価
することは困難でした。
 
 そこで、Tリンパ球を遺伝的に作ること
ができないRAG2 KOマウスにPD-1 KOを交配
し、Tリンパ球が出来ない環境で結核死菌
のみを投与し、ピュアな自然免疫反応を
誘導しました(第一段階)。
 
 ここから得られた自然免疫細胞を用いて、
抗原特異的にTリンパ球を刺激する実験
(第二段階)に用いると、刺激された
Tリンパ球をTh17に強く誘導することが
わかりました。
 
 第一段階にはリンパ球の関与がない
ため、すなわちPD-1欠損がリンパ球に関係
なく、自然免疫反応を亢進する動かぬ証拠
を得ました。
 
 しかも亢進した自然免疫反応は、
Tリンパ球に間接的に作用して、自己免疫
における悪玉Tリンパ球の分化を起こし
ます。
 
 これを生体レベルで確認するため、
PD-1をリンパ球以外の細胞でのみ欠損する
マウスを作製し、EAEを誘導しました。
 
 このようなマウスでは、PD-1を持つ
コントロールマウスと比較して、病勢の
悪化とTh17の増加が認められ、仮説が
正しいことがわかりました(図3)。
 
 自然免疫細胞には、樹状細胞、
マクロファージといった多くの細胞が
含まれ、いずれかの自然免疫細胞が
産生するサイトカイン、IL-6がT細胞に
作用することがTh17を分化させます。
 
 PD-1 KO由来のマクロファージを
直接結核死菌で刺激すると、WTに比較して
有意に多くのIL-6産生を起こすことが
わかりました。
 
 このIL-6を中和抗体で阻害すると、
PD-1 KOに見られた強いTh17誘導が
阻害されました。
 
 以上より、PD-1は、免疫賦活剤に
含まれる結核死菌を認識した
マクロファージの活性化とIL-6産生を
抑制することによって、Th-17の分化と、
EAEの病勢を抑制すると考えられました。
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 免疫反応というのは本当に複雑です。
 
 今回は
>PD-1は、免疫賦活剤に含まれる
>結核死菌を認識したマクロファージの
>活性化とIL-6産生を抑制すること
>によって、Th-17の分化と、EAEの病勢を
>抑制すると考えられました。
 と言う発見ですね。
 
>今後、この分子機構を明らかにしていく
>ことが、自己免疫疾患のメカニズムを
>より深く理解するために重要です。
 と言っています。
 
 この前投稿した
2013年9月14日
 という話しもあるし、複雑。
 
 自己免疫疾患の対策は難しそうです。

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