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2013年8月29日 (木)

ウイルス感染に対抗する新たな免疫反応の仕組みを解明―新規免疫賦活化剤として効果的なワクチン開発へ―

2013年8月15日 大阪大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 ウイルスが細胞に感染すると、細胞は
I型インターフェロンや炎症性サイトカイン
といった液性因子(サイトカイン)を産生
することでウイルスを排除しようとします。
 
 これらのサイトカインは引き続きT細胞
やB細胞などにより担当される獲得性免疫
の誘導に重要な役割を果たします。
 
 これまで、我々のグループでは、
自然免疫とよばれる、病原体の認識から
サイトカイン産生に至る過程の研究を
進めていました。
 
 特に、ウイルス感染の認識から
インターフェロン産生に至る細胞内の
シグナル伝達において、リン酸化酵素※2
TBK1 (Tank binding kinsae1)よる
転写因子※3IRF3のリン酸化が必須である
ことを明らかにしてきました。
 
 しかし、このTBK1-IRF3シグナルが
どのように活性化するのか不明でした。
 
 私たちはTBK1-IRF3の活性化メカニズム
を明らかにするため、TBK1-IRF3の
シグナルを活性化し得る細胞内因子の探索
を行いました。
 
 その結果、イノシトール5リン酸が
IRF3と結合すること、この結合はTBK1
によるIRF3のリン酸化を増強することで、
インターフェロン産生を促進することを
突き止めました。
 
 また、イノシトールリン酸の5位を
リン酸化することでイノシトール5リン酸
の産生に関わるリン酸化酵素PIKfyveの
活性化を薬剤により阻害したり、
ノックダウン法により発現を抑制すると、
ウイルス感染によるインターフェロンの
産生が減少することがわかりました。
 
 ウイルス感染によりイノシトール5リン酸
の細胞内の量は増えることも分かりました。
 
 また、このイノシトール5リン酸の
産生はPIKfyveの阻害により抑制される
ことがわかりました。
 
 以上のことから、ウイルス感染時の
細胞の応答には、イノシトール5リン酸が
必要であることがわかりました。
 
 さらに、樹状細胞※4に
合成イノシトール5リン酸を与えると、
インターフェロンなどのサイトカインが
産生されることがわかりました。
 
 イノシトール5リン酸が樹状細胞を
活性化することができることから、
イノシトール5リン酸が生体内で抗体を
作る時の補助的な役割「免疫賦活化能」
を発揮するか調べました。
 
 イノシトール5リン酸を抗原とともに
マウスに免疫した結果、抗原特異的な
抗体が産生することから、
イノシトール5リン酸に免疫賦活化能が
あることがわかりました(図2)。
 
 
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今後の期待
 
 イノシトール5リン酸は、
イノシトール3リン酸や、
イノシトール4リン酸などに比べ、役割が
あまり知られていない
イノシトールリン脂質であり、生体内での
存在量も少ないのです。
 
 今回はじめて、自然免疫のシグナル伝達
において、イノシトール5リン酸が
ウイルスに対する免疫応答で重要な役割
をもつことが明らかになりました。
 
 また、イノシトール5リン酸が
免疫賦活化能を有していることから、
新しいタイプの免疫賦活剤として活用
できる可能性があります。
 
 イノシトール5リン酸は、これまでの
免疫賦活剤と異なり、生体内由来の物質
であり、より毒性が少なく安全性の高い
免疫賦活化剤としての活用が期待されます。
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 大阪大学免疫学フロンティア研究センター
(WPI-IFReC)の審良静男教授(拠点長)
の所、頑張ってますね。
 
>ウイルス感染に対する免疫反応が、
>細胞膜に存在するリン脂質の一種
>イノシトール5リン酸※1により制御されて
>いることを明らかにしました。
 とのことです。
 
>イノシトール5リン酸は、これまでの
>免疫賦活剤と異なり、生体内由来の物質
>であり、より毒性が少なく安全性の高い
>免疫賦活化剤としての活用が
>期待されます。
 
 期待しましょう。

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