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2013年8月30日 (金)

エネルギーロスのないグリーンな分子性電子デバイス開発に光 ~ついに分子性ゼロギャップ伝導体へのキャリア注入に成功~

平成25 年8 月26 日
学校法人 東邦大学
独立行政法人 理化学研究所
自然科学研究機構 分子科学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 現在の携帯電話、PCといった電子機器は、
GaAs等の半導体素子デバイス発展により
目覚ましく進展してきました。
 
 このような半導体は図に示すように
伝導帯と価電子帯との間に
エネルギーギャップを持つために、電気を
流すのは少数のキャリア(電子や正孔)と
なります。
 
 従って、わずかな電子や正孔を注入した
だけで、電気的性質が非常に大きく変化
するのです。
 
 しかし、これら半導体素子は破棄する
際には適切な処理が必要です。
 
 そのために近年、環境にやさしい優れた
電子機能をもつ新規物質の開発と
その基礎研究が強く求められています。
 
 その中で、田嶋准教授ら研究チームは
世界で初めての「3次元単結晶」
ゼロギャップ伝導状態を、有機導体
α-(BEDT-TTF)2I3に圧力をかけること
によって発見しました。
 
 ゼロギャップ伝導体とは、半導体の
伝導帯と価電子帯が点で接し、
エネルギーギャップがゼロの導体を
言います。
 
 特殊なエネルギー構造をとるために、
固体の中で電子があたかも光と同様、
質量がゼロであるかのように振る舞い、
電気伝導の主役を演じます。
 
 そのため、電子デバイスに最も重要な
物理量であるキャリア易動度
(電子や正孔の動きやすさ)は、低温で
信じられないほど高くなります。
 
 従って、この物質を舞台にして、
エネルギーロスのない
高速駆動電子デバイスの実現が
期待できます。
 
 しかし、この物質へのキャリア注入方法
はまだ確立していませんでした。
 
 これまで研究チームは
ゼロギャップ伝導体のデバイス化に向けて、
Si基板等を利用した通常の
電界効果トランジスタを作製し、この物質
へのキャリア注入を試みてきました。
 
 しかし、基板と試料〔α-(BEDT-TTF)2I3〕
の圧力や熱による歪(収縮・膨張率)の
違いが問題となり、この物質への
キャリア注入は成功していませんでした。
 
 本研究では、試料の圧力や熱による
歪効果がさほど変わらない
プラスチック基板
(PET: ポリエチレンナフタレート)の上に
試料厚さ100nm程度の薄片単結晶試料を
固定するだけで正孔キャリアを注入する
ことに初めて成功しました。
 
 特徴的な量子効果も観測することに成功
しました。
 
 このデバイスが非常に良質であることを
示します。
 
 今回の成果は、低コストで環境に優しい
グリーンな次世代分子性電子デバイス開発
に向けた大きな第一歩となります。
 
 成果報告は、平成25年9月1日
米国の科学雑誌
『Physical Review B』に掲載される
に先立ち、8月26日
(日本日付:8月27日)にオンライン版に
掲載される予定です。
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 素晴らしい成果だと思います。
 
>今回の成果は、低コストで環境に優しい
>グリーンな次世代分子性電子デバイス
>開発に向けた大きな第一歩となります。
 
 そうですね。大きな第一歩。
 
 これから実用化までにはまだまだ幾つも
壁が出てきて時間がかかるものと
思いますが、大きな可能性を感じます。
 
 今後に大いに期待したい。

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