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2013年8月 9日 (金)

超高屈折率のカギは常識を覆すガラス構造にあり

平成25年8月3日
東京大学生産技術研究所
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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発表のポイント:
◆屈折率2.2を超える無色透明な2種類の
 ガラスの開発に成功し、その高屈折率
 の起源が従来のガラス科学の常識では
 考えられない奇妙なガラス構造に
 あることを突き止めました。
 
◆ガラスの原子配列を三次元可視化する
 ことで、ガラス化の要因と高屈折率の
 原因を世界で初めて原子レベルで
 明らかにしました。
 
◆開発したガラスの光学特性は極めて
 優れており、超高精細、高解像度を
 実現する光学レンズとしての応用が
 期待されます。
 
 
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発表概要:

 屈折率の高いガラス
(屈折率が1.8以上のもの)は、主にレンズ
として利用されています。
 
 しかし、無色透明で屈折率の高いガラス
の開発には原理的に高いハードルがあると
考えられていました。
 
 東京大学生産技術研究所の増野敦信助教、
井上博之教授、高輝度光科学研究センター
の小原真司主幹研究員、
英国 ラザフォード・アップルトン研究所の
Alex C. Hannon研究員、
フランス リトラル大学の
Eugene Bychkov教授らは、
無容器法(注1、図1)を用いることで、
これまでガラスにならないと考えられて
いた希土類酸化物(La2O3)とニオブ酸化物
(Nb2O5)のみからなる組成の新しい2種類
のガラスの開発に成功しました(図2)。
 
 開発した2種類のガラスはLa2O3の含有量
が多いものとNb2O5の含有量が多いもの
とがあり、いずれも無色透明で、
かつ2.1~2.2という極めて高い屈折率を
示しました。
 
 本国際共同研究チームは、
高エネルギー放射光X線(注2)と
中性子線(注3)による回折実験と
計算機シミュレーションを組み合わせた
構造解析研究の結果、ガラスに含まれて
いる元素のイオン性が極めて高く、
かつそれらが隙間無く密につまっている
ことが、高い屈折率の直接的な原因である
ことがわかりました。
 
 そしてその高密度状態が、一般的な
ガラスとは全く異なる局所構造によって
実現されたものであることを原子レベル
で明らかにしました。
 
 今回の成果は、単に新しい組成のガラス
ができたというだけにとどまりません。
 
 これまでのガラス科学が想定して
いなかった元素の組み合わせでも
ガラスになること、そしてそれらのガラス
が極めて高い特性を持つことを、
原子レベルで原理的に示しました。
 
 今回の成果をきっかけとして、今後の
ガラス研究の枠組みが大幅に広がる
可能性があります。
 
 また、本研究の成果は近い将来、
携帯電話やタブレットPCのカメラの
超高精細化、高解像度化や、内視鏡用の
レンズの小型化に向けた製品開発に
つながると期待されます。
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 素晴らしい成果ですね。
 
>高エネルギー放射光X線(注2)と
>中性子線(注3)による回折実験と
>計算機シミュレーションを組み合わせた
>構造解析研究の結果、ガラスに含まれて
>いる元素のイオン性が極めて高く、
>かつそれらが隙間無く密につまっている
>ことが、高い屈折率の直接的な原因
>であることがわかりました。
 
 最近の構造解析はすごい。
 
>今回の成果は、単に新しい組成のガラス
>ができたというだけにとどまりません。
 
>これまでのガラス科学が想定して
>いなかった元素の組み合わせでも
>ガラスになること、そしてそれらのガラス
>が極めて高い特性を持つことを、
>原子レベルで原理的に示しました。
 
 本当に素晴らしい。
 
>本研究の成果は近い将来、
>携帯電話やタブレットPCのカメラの
>超高精細化、高解像度化や、内視鏡用の
>レンズの小型化に向けた製品開発に
>つながると期待されます。
 
 そうですね。

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