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2013年8月 6日 (火)

金属イオンの濃度に応答して色調が変わるケミカルセンサーを開発

2013年8月2日
独立行政法人理化学研究所
国立大学法人岡山大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所と岡山大学は、金属イオン
を認識して発色し、その発色濃度に応じて
色調が変化するケミカルセンサーを開発
しました。
 
 これは、理研ライフサイエンス技術基盤
研究センター
次世代イメージング研究チームの
榎本秀一チームリーダー
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
教授兼任)、神野伸一郎研究員,岡山大学
大学院医歯薬学総合研究科の白崎良尚連携
大学院生と鈴鹿医療科学大学薬学部の
米田誠治助教らによる共同研究グループの
成果です。
 
 炭素や水素などの有機物から成る
有機色素には、特定のイオンや分子と反応
することで色を変化させる特徴を持つ
機能性色素[1]と呼ばれるものがあります。
 
 この機能性色素の性質を利用した
ケミカルセンサーは、環境中の化学物質や
生体内の分子の存在を目視で簡単に判定
できることから、環境モニタリングや
医療診断などに広く用いられています。
 
 しかし、分析対象物の存在だけでなく、
その濃度の増減にも応答して色調を変化
させるタイプのケミカルセンサーは
これまでほとんどありませんでした。
 
 共同研究グループは2010年に、
水素イオンの化学刺激により2つの
スピロ環[2]が開くことで分子構造が
変化し、色調が変わる有機蛍光色素
「アミノベンゾピラノキサンテン系
(ABPX)色素[3]」を開発しました。
 
 今回、この発色原理を応用した
金属イオン濃度に反応する
ケミカルセンサーを開発するため、2価の
銅イオン(Cu2+)と結合親和性の高い
ヒドラジド[4]と呼ばれる構造をABPXへ
導入した「ABPX-ヒドラジド(ABPX-hy)」
を合成しました。
 
 ABPX-hyの溶液は無色ですがCu2+を
加えると発色し、さらに濃度が高くなる
につれ、色は赤桃色から紫色へと変化して
いくことが目視で確認できました。
 
 また、目視分析に加え吸光光度計を
併用することで、Cu2+を簡便かつ精確に
定量分析できることも分かりました。
 
 今後、さまざまなイオンや分子と結合
するようにスピロ環部位の構造を変える
ことで、迅速な定量手段が求められる
環境計測や診断分野などの新たな
分析ツールとなることが期待できます。
 
 本研究は,JSTの研究成果最適展開
支援プログラム事業「A-STEP」における
研究課題「高効率でマルチカラー蛍光を
有するアミノベンゾピラノキサンテン系
(ABPX)蛍光色素の開発と発光素子への
応用展開」(研究代表者:神野伸一郎)と
科研費の挑戦的萌芽研究における研究課題
「光線的力学療法剤の新規蛍光色素は
太陽電池デバイスとなるか?」
(研究代表者: 榎本秀一)の一環として
行われました。
 
 成果は、ドイツの科学雑誌
『Chemistry?An Asian Journal』の
オンライン版(7月10日付け)に掲載
されました。
 
また8月29日から東京ビックサイトで
開催されるイノベーションジャパン2013
で展示予定です。
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 目視で判断できるというのは素晴らしい。
 今後に期待したいケミカルセンサーです。
 
>本研究で確立した、ABPXのスピロ環部位
>の構造を変えることで銅イオンだけを
>認識させる手法は、銅以外の金属イオン
>や小分子などについても適用できると
>考えられます。
 
>今後、さまざまな物質の濃度を視覚的に
>判断できる環境計測用試薬や簡易診断薬
>としての応用が期待できます。
 

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