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2013年8月10日 (土)

マウスの成熟脳で神経回路を制御する新たな仕組みを解明

2013年8月1日
独立行政法人理化学研究所
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
・イノシトール三リン酸(IP3)受容体の
 欠損でスパインが異常に増加
 
・スパインの異常に伴い、重篤な小脳失調
 と運動学習の障害が発生
 
・脊髄小脳変性症など神経疾患の病態を
 解明するヒントに
 
 
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要旨
 
 理化学研究所は、神経回路が完成した
成熟後のマウスの小脳[1]で、神経細胞の
一種であるプルキンエ細胞[2]の
イノシトール三リン酸(IP3)受容体[3]が、
樹状突起上にあるスパイン[4]の数を制御
し、正常な神経回路を維持していることを
明らかにしました。
 
 これは、理研脳科学総合研究センター
発生神経生物研究チームの御子柴克彦
チームリーダー、菅原健之研究員、
久恒智博研究員、運動学習制御研究チーム
らによる研究グループの成果です。
 
 私たちの脳では、数千億個の神経細胞
がシナプス[5]を介して結合し、神経回路
を形成しています。
 
 シナプスは、神経細胞の樹状突起上
にある無数のスパインと呼ばれる小さな
突起に形成されます。
 
 スパインは、生後の発達過程で活発に
形成され、成熟後は安定な構造になること
で機能的な神経回路を維持します。
 
 一方で、一部のスパインは成熟後も学習
や記憶、環境などにより再編成されます。
 
 そのため、成熟後の脳で神経細胞の
スパインの形成が正しく制御されることは、
学習や記憶、運動のコントロールなどの
高次脳機能にとって非常に重要です。
 
 しかし、そのメカニズムは明らかに
されていませんでした。
 
 研究グループは、小脳の主要な神経細胞
であるプルキンエ細胞だけでIP3受容体を
欠損させたマウスで、プルキンエ細胞の
スパインが異常に増加し、形が長くなって
いることを発見しました。
 
 また、スパインの数の異常は、発達の
過程ではなく成熟後に起こっていること
が分かりました。
 
 さらに、スパインの異常に伴い、
このマウスは重度の小脳失調と運動学習の
障害を起こしました。
 
 これらの発見は、成熟後の小脳では、
IP3受容体がプルキンエ細胞のスパインの
数を正しく制御することで機能的な
神経回路を維持し、このメカニズムが
小脳の機能である運動のコントロールと
学習に重要であることを示しています。
 
 この成果は、統合失調症や自閉症、
あるいは脊髄小脳変性症[6]など多くの
神経疾患の病態解明に役立つと期待
できます。
 
 本研究成果は、米国の科学雑誌
『The Journal of Neuroscience』の
7月24日号に掲載されました。
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 久しぶりの脊髄小脳変性症の発症原因に
絡んでくる研究ですね。
 
>近年、日本で特定疾患に指定されている
>難病である脊髄小脳変性症の
>原因遺伝子として、IP3R1が同定
>されました。
 
>本研究の成果は、発症メカニズムが
>不明であり、有効な治療法がなかった
>脊髄小脳変性症の病態を理解する上でも
>重要な発見であり、治療法の確立に
>つながる可能性を秘めています。
 
 
 IP3R1遺伝子というのは、
イノシトール三リン酸(IP3)受容体
の作成に絡んでいるということで
しょうか?
 
 この遺伝子に異常があると、
・イノシトール三リン酸(IP3)受容体の欠損
 が起こる
・→スパインが異常に増加
・→重篤な小脳失調と運動学習の障害が発生
 
 という理屈になるのでしょうか?
 
 この辺の理解が進むということになる
と思われます。
 
 小脳失調にイノシトール三リン酸(IP3)
受容体の欠損がからんでいるという報告は
始めてです。
 
 今まで多く報告されているグルタミン病
とは違う小脳失調の原因になり得るものを
発見したということですね。
 
 今後の研究に期待します。

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