絶縁部分が4μmの次世代高温超伝導ワイヤを開発
2013年8月12日
独立行政法人理化学研究所
国立大学法人千葉大学
プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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超伝導の性質を持つ線材「超伝導ワイヤ」
で作られる超伝導コイルは、強い磁場を
発生する電磁石として核磁気共鳴分光装置
(NMR)、磁気共鳴画像装置(MRI)、
超伝導リニアモーターなどに応用されて
います。
近年、高温超伝導コイル向けに、
レアアース系の材料を使って高い電流密度
と強靭性を持たせた
「次世代高温超伝導ワイヤ」が注目されて
います。
このワイヤは幅が4~5mm、厚さが
100~150μmの薄いテープ状です。
超伝導コイルの巻線に利用するため
にはワイヤへの絶縁が必要となりますが、
これまでの絶縁法では絶縁部分が
ワイヤ部分と同じくらい(約100μm)の
厚さになってしまいます。
これが、コイルが大型化する原因でした。
理研と千葉大学の共同研究グループは、
ポリイミド電着法という新しい手法を
用いて、ワイヤの表面に極薄の
ポリイミド絶縁被膜を形成し、
次世代高温超伝導ワイヤの絶縁部の厚さを
従来の10分の1の4μmにまで薄くすること
に成功しました。
数kmの長さでも対応可能で、
ポリマーテープを巻きつけるこれまでの
方法に比べ、テープの切れや偏りの心配
がなく簡単に超伝導コイルが製作
できます。
開発したワイヤの断面積に占める
絶縁部分の比率は10%以下で、これまでの
ワイヤの50%以上に比べ格段に小さく
なりました。
その結果、超伝導コイルの電流密度を
2倍以上に大きく、体積を5分の1以下に
小型化できます。
今回の成果は、高温超伝導コイル開発
のための基盤となる技術です。
超伝導磁石の小型・軽量化など
高温超伝導機器のコンパクト化に役立つと
期待されます。
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なるほど。
さらに高い温度で使用できる
高温超伝導物質を開発することは
重要ですが、高温超伝導コイル開発
に於いてはワイヤの断面積に占める
絶縁部分の比率を下げることも重要
なんですね。
>今回の成果は、高温超伝導コイル開発
>のための基盤となる技術です。
だそうです。
これでMRIも、もっと小型にできますね。
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