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2013年8月15日 (木)

切除不能な脊椎(せきつい)肉腫※1に対して安全かつ有効な重粒子線治療※

2013年8月13日
独立行政法人 放射線医学総合研究所
重粒子医科学研究センター病院
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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本研究成果のポイント
・手術による切除が不可能な脊椎肉腫
 47症例(48病巣)において、
 重粒子線治療により良好な腫瘍制御率、
 生存率が得られることがわかりました。
 この成果は重粒子線治療が、切除不能な
 脊椎肉腫に対する有望な治療の選択肢と
 なることを示しています。
 
 
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 脊椎肉腫に対しては手術による切除が
第一選択となります。
 
 しかし、肉腫が存在している場所や
患者さんの状態によっては、手術が
できないことがあります。
 
 その場合は、化学療法や放射線療法が
選択肢に入りますが、肉腫の中には
これらの治療が効きにくいものも多く、
治癒を期待できないことも少なく
ありません。
 
 また、放射線療法が有効な場合でも、
十分な効果を得るには高い照射線量が
必要であり、一般的に利用されるX線
では、脊髄など周辺の正常組織の
放射線障害を避けることが困難なために
治療が難しいこともあります。
 
 しかしながら、放射線療法の一つ
である炭素イオンを利用する
重粒子線治療は、肉腫に高い線量を
ピンポイントで照射でき、正常組織への
影響を少なく抑えられるため、治療後の
患者さんの生活の質を維持できる可能性
が高くなります。
 
 今回の調査では、重粒子線治療の有効性
および安全性を評価するために、切除不能
な脊椎肉腫症例に対する治療成績と副作用
について解析しました。
 
 その結果、治療してから5年目までに、
重粒子線治療を行った場所にがんが再発
しなかった割合(5年局所制御率)は79%、
治療してからの5年生存率は52%でした。
 
 今まで切除できなかった症例は、がんが
大きくなったり、転移を生じたりするので
長期間の生存は期待できなかったことから、
非常に良い成績といえます。
 
 特に腫瘍の大きさが100cm3未満
(約直径6cm未満)であった15例は
再発しませんでした。
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 素晴らしい成績ですね。
 手術不能の一般のがんに対しても有効
と聞いています。
 
 惜しむらくは治療費があまりに高いこと、
治療を受けられる病院が少なすぎること。
 ですね。
 
 重粒子線治療が受けられる病院一覧が
載っています。
 ご参考まで、

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コメント

 切除不能なガンに対する安全で有効な治療法ということで、病気に苦しんでいる方達にとって朗報ですね。問題は、治療費です。お金持ちにだけの朗報とならないようにしたいものです。さて、キッセイ薬品が行っている脊髄小脳変性症の治験が第Ⅲ相になったということです。これは、何を意味しているのでしょうか。グッドニュースですか?haredasuさん、教えてください。

投稿: オリバー | 2013年8月15日 (木) 16時51分

オリバーさん コメントありがとうございます。 

同感です。
高額医療でしか治せないのでは健康保険財源の枯渇も問題になるはずです。

本当に第Ⅲ相になったのですか? キッセイ薬品工業のページではまだ第II相のままですが? もし第Ⅲ相に進んだとすれば、
グッドニュースではあると思います。(薬が世に出る可能性が出て来たということ = 薬の選択肢が増えることになる)

ただ、KPS-0373経口剤は、主成分は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)です。ということは、現在のセレジストと大きな差は無いはずです。
対処療法薬であることに変わりはありません。効果のある人、無い人が出てくるという意味でも同じです。

期待しているのは根治治療法が出てくることで、その可能性が大きいのは平井教授さんのところの研究だと思っています。
脊髄小脳変性症に対する研究も盛んですし、期待しています。

投稿: haredasu | 2013年8月16日 (金) 14時55分

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