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2013年7月17日 (水)

ラン藻が作るバイオプラスチックの増産に成功

平成25年7月16日
科学技術振興機構(JST)
理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
○ラン藻が作るバイオプラスチックは
 光と二酸化炭素から作られるため
 環境にやさしい。
 
○転写制御因子SigEによって、
 バイオプラスチックの収量が約2.5倍に
 増加。
 
○今後、さらなる増産の実現により
 カーボンニュートラルな社会の構築に
 貢献。
 
 
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 JST課題達成型基礎研究の一環として、
JSTさきがけ研究者の小山内 崇
(理化学研究所 環境資源科学研究センター
 客員研究員)らは、代謝経路を制御する
ことで光合成微生物のラン藻が作る
バイオプラスチック注1)の増産に成功
しました。
 
 代表的なバイオプラスチックである
ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、
工業規模の生産も行われており、環境面
から広範な使用が望まれます。
 
 しかし、糖や油脂を原料としており、
生産コストの面だけでなく、エネルギー供給
や資源の枯渇、糖類の価格変動など多くの
問題を抱えています。
 
 一方、ラン藻は光と二酸化炭素だけを
材料に、PHAの一種である
ポリヒドロキシ酪酸(PHB)注2)を
生産する光合成微生物として知られており、
これらの問題を解決できる可能性が
あります。
 
 しかし、その収量は現在生産に利用
されているほかの微生物に比べて1桁以上
低く、増産の鍵となるラン藻の
PHB合成遺伝子の転写制御注3)機構は
多くが謎に包まれており、その解明が
望まれていました。
 
 今回小山内研究者らは、微生物内で炭素
の貯蔵源であるグリコーゲン分解に関与
する炭素代謝の制御因子である「SigE」
に着目しました。
 
 過去の解析から、SigEが
PHB生合成遺伝子の転写を制御する
可能性を見出し、遺伝子改変により
ラン藻細胞内でSigEのたんぱく質量を
増やしました。
 
 その結果、PHB生合成遺伝子の転写量
やたんぱく質量が増加し、PHB量は
約2.5倍増加し、SigEがPHBの
合成を制御することが分かりました。
 
 また、SigEたんぱく質の増加によって
糖リン酸やクエン酸など、PHB生合成経路
以外の炭素化合物が増えることも分かり、
今後はこれらの副次経路の代謝産物を減少
させることで、PHBのさらなる増産が
期待できます。
 
 本成果によって、PHB生合成遺伝子の
転写制御機構の解明が、PHB生産の
高収率化につながることが明らかに
なりました。
 
 また、従来の代謝工学では、代謝酵素
レベルの改変に主眼を置いていますが、
「転写制御因子を利用した代謝改変」
という新たな代謝工学の手法を提案する
ことができました。
 
 今後、PHBの収量をさらに上げて、
光と二酸化炭素を利用した
バイオプラスチック生産の技術基盤を提供
し、カーボンニュートラルな社会の構築に
貢献することが期待されます。
 
 本研究は、理化学研究所の平井 優美
チームリーダーおよび斉藤 和季
グループディレクターと行ったもので、
本研究成果は、2013年7月16日発行
の科学誌「DNA Research」に
掲載されます。
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 良いですね。
 環境にやさしいバイオプラスチック
 
 まだ工業化までには時間がかかりそう
ですが、期待したい。

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