レーザー光でアンコール古代都市構造を解明
2013年7月9日
サイエンスポータル編集ニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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空中からレーザー光を照射しスキャン
することで地形図を作成する装置
「ライダー」を使い、これまで密林に
埋もれていたカンボジアのアンコール遺跡群
の古代都市構造の全容を筑波大学の
下田一太・助教などの国際チームが明らかに
した。
論文を『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』
に近く掲載する。
研究チームが用いたのは「ライダー」
(LiDAR:Light Detection and Ranging)」と
呼ばれる航空レーザ計測技術。
ヘリコプターに装置を搭載し、
高度800メートルの上空からレーザー光を
照射して、クメール帝国(9-15世紀)が
築いた遺跡群の周辺370平方キロメートル
の範囲を調査した。
これまでは付近一帯を覆った熱帯雨林が
地上からの調査を阻んできたが、
レーザー光が樹木の葉の隙間から地表面に
到達することで、詳細な地形図を作製する
ことができた。
その結果、クメール帝国12世紀後半の
王都の中核「アンコール・トム」
(3キロメートル四方)の内部と周辺に、
都市の基本的な骨格となる格子状の道路や
水路が見つかった。
12世紀前半の「アンコール・ワット」を
はじめとした寺院などの大型の複合施設は、
周囲を堀や壁で囲まれているが、
今回の調査で、堀の内側には格子状の構造
が張り巡らさせていることが分かった。
さらに、アンコール遺跡群の北西30キロ
メートルの山中にある、9世紀ごろの
王都「マヘンドラパルバタ」の遺跡群では、
多数の土手や水路網が確認された。
クメール帝国の初期の都市構造に
すでに灌漑システムが整備されていた
ことが明らかになったという。
研究チームは「詳細な地形データに
よって、これまで“点”や“線”で
構成されていた遺跡群が“面”として
認識できるようになった。
100年以上にわたるこれまでの遺跡群
に対する認識が大幅に刷新されることに
なった」と述べている。
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素晴らしいです。
>100年以上にわたるこれまでの遺跡群
>に対する認識が大幅に刷新されることに
>なった
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