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2013年6月 2日 (日)

免疫の司令塔に大きく関与するタンパク質の同定に成功―T細胞内のRegnase-1を制御して免疫疾患の新しい治療戦略を拓く―

2013年5月24日 大阪大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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リリース概要
 
 大阪大学免疫学フロンティア
研究センターの植畑拓也研究員、
審良静男教授(拠点長)らは、獲得免疫系
の中心であるT細胞においてRegnase-1
というタンパク質を特異的に欠損した
マウスを作成することに成功し、
Regnase-1がT細胞の活性化の調節に重要な
因子であることを証明しました。
 
 さらにT細胞におけるRegnase-1が
自己免疫疾患発症に大きく関与している
ことを世界で初めて証明しました。
 
 本成果は、2013年5月23日の正午
(アメリカ東部時間)に雑誌「Cell」
オンライン版に掲載されます。
 
 Cell press社からも特に注目される論文
としてアメリカでプレスリリースされます。
 
 なお本研究は、内閣府/日本学術振興会
・最先端研究開発支援プログラムの支援を
受けて行われました。
 
 
 
まとめと今後の展開
 
 本研究において我々はRegnase-1が
T細胞において活性化を制御する重要な因子
であることを示した。
 
 当初、Regnase-1はマクロファージ
においてLPS刺激によって誘導される因子
として同定されたが、T細胞では
Regnase-1欠損によりまるで抗原刺激を
受けたような強い活性化を引き起こす点で
非常に興味深い。
 
 さらに、このような活性化T細胞は
自己反応性B細胞をも活性化し、
自己抗体産生を引き起こすことから、
Regnase-1は末梢での自己寛容を制御して
いると言える。
 
 一方で、T細胞は抗原刺激を受けること
でRegnase-1の発現量を厳密に
コントロールしており、一過性に
Regnase-1の発現量を減らすことで
免疫応答を容易にしているが明らかと
なった(図7)。
 
 注目すべきことに、刺激後における
Regnase-1の発現変化はマクロファージ
においても認められるが
(Iwasaki, Nature Immunology, 2011)、
T細胞の場合、これまでNF-κB活性化に
必須とされていたMalt1がRegnase-1を
切断することにより、標的RNAの安定性を
制御する点は革新的である。
 
 以上から、Regnase-1は自然免疫系だけ
でなく獲得免疫系においても免疫活性化を
調節する重要な役割を担っていることが
明らかとなった。
 
 Regnase-1はリンパ球に多く発現する
ことが知られているが、 CD4陽性T細胞
の中でも抑制性T細胞やCD8陽性である
細胞障害性キラーT細胞なども疾患に関与
していることが予想される。
 
 このような細胞は自己免疫疾患や
ウイルス感染、癌免疫との関わりが深い
ことから、今後このような細胞種
においてRegnase-1の機能を明らかに
することは重要である。
 
 一方、ヒトにおけるRegnase-1のデータ
は現在のところ乏しいが、
関節リウマチ患者由来の滑膜細胞における
Regnase-1はIL-6 mRNA発現を制御している
という報告は我々のデータと合致する。
 
 また心筋細胞特異的にRegnase-1を
発現させたマウスでは敗血症による
心筋の炎症、さらに心機能低下を緩和する
ことができると報告されている。
 
 T細胞におけるRegnase-1の発現量は
細胞活性化に大きく影響を与えること
から、疾患に関連する抗原特異的な
T細胞のみを活性化させることで
免疫機能をコントロールできる可能性が
ある。
 
 今後、ヒトにおける疾患とRegnase-1が
どのように関わっているか明らかにする
ことは大変意義深い。
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 素晴らしい成果のようです。
 
>T細胞におけるRegnase-1の発現量は
>細胞活性化に大きく影響を与えること
>から、疾患に関連する抗原特異的な
>T細胞のみを活性化させることで
>免疫機能をコントロールできる可能性が
>ある。
 
>今後、ヒトにおける疾患とRegnase-1が
>どのように関わっているか明らかにする
>ことは大変意義深い。
 
 今後の展開に期待したい。
 
 参考
審良静男教授(拠点長)有名なんですね。
 興味のある方はリンクをどうぞ、
 ノーベル賞に近い人らしいです。

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