「複数の神経変性疾患にまたがる共通病態(シグナル)を解明」
2013年05月08日
東京医科歯科大学プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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東京医科歯科大学・神経病理学分野の
岡澤 均(おかざわひとし)教授らの
グループは、複数の神経変性疾患グループ
にまたがる病態シグナルを解明しました。
この成果は、5月7日(米国東部時間)
発行のNature Communications誌
オンライン版に掲載されました。
アルツハイマー病、パーキンソン病、
筋萎縮性側索硬化症など神経細胞が
死んでいく一連の疾患を神経変性疾患と
呼びます。
本研究は、これらの神経変性疾患は
認知症、運動失調症、不随意運動など
異なった症状を示すものの、TERA/VCP/p97
という分子が共通して障害されていること
を発見しました。
TERA/VCP/p97分子を標的とすることで、
幅広い適応疾患を持つ新しい治療法の
開発につながることが期待されます。
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素晴らしい成果のようです。
>この研究は、岡澤教授の研究グループの
>15年前の発見に端を発しています。
>同グループはポリグルタミン病
>原因タンパク質に結合する
>正常タンパク質を探索していました。
>この結果、PQBP1(その後、発達障害原因
>遺伝子であることも判明)とともに
>TERA/VCP/p97 (以下、VCPと記述) が
>ポリグルタミン配列に結合することを
>見つけました
>(Imafuku et al, Biochem Biophys
>Res Commun 1998)。
>その後、他の研究グループも
>Ataxin-3というポリグルタミン病
>原因タンパク質の一つがVCPに結合する
>ことを示しました
>(Hirabayashi et al, Cell Death
>Differ 2001)。
>この結果から、VCPこそが
>ポリグルタミン病の病態に直結した分子
>ではないかという仮説を立てました。
↓
>今回の研究では、VCPを介して複数の
>神経変性疾患グループにまたがって
>共通する分子病態を解明しました。
>このような共通した病態を利用して、
>複数の神経変性疾患にすべて作用しうる
>薬剤・治療法の開発が期待できます。
大いに期待したい。
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