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2013年5月14日 (火)

糸状菌由来の免疫回避機能性素材を用いた新規医療用ナノ粒子の開発

平成25年5月10日
国立大学法人 東北大学
未来科学技術共同研究センター(NICHe)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 簡単に言うと、「体内に投与した
ナノ粒子を、白血球等につかまらず、
効率よく目標の臓器・器官に届ける事が
出来るようになった」という内容です。
 
 ナノ粒子の表面を免疫系に見付からない
(ステルス)物質でコーティングする事で、
白血球等に感知されないようにしました。
 
 ナノ粒子はMRIやDDSなど医療分野への
応用が図られていますが、血中に投与した
ナノ粒子が細網内皮系において
マクロファージにより捕捉され、標的組織
へ送達できないことが課題です。
 
 この課題に対して以下の開発を行い、
新規医療用ナノ粒子を開発いたしました。
 
(1) 我々は、発酵・醸造に使用される
 黄麹菌 Aspergillus oryzae の産生する
 界面活性蛋白質 hydrophobin(RolA) に
 関して、高分子ポリマーの分解促進因子
 としての研究を行ってきました
 (参考資料1)。
 一方、ある種の糸状菌の hydrophobin が
 人の免疫応答回避(ステルス)能を
 有することが示されました
 (参考資料2)。
 
(2)以上の背景から、酸化鉄ナノ粒子
 (参考資料3)を、安全な黄麹菌
 hydrophobin RolA で被覆してステルス能
 と水溶性を賦与した新規ステルスナノ粒子
 の開発を行いました。
 
(3)RolA 被覆粒子による動物細胞を用いた
 免疫応答評価試験の結果、樹状細胞は
 サイトカイン(注.免疫反応の結果
 出てくる細胞間情報伝達性タンパク質)
 を産生しないこと、マクロファージに
 よる貪食が回避されたことから、
 ステルス能が確認されました
 (参考資料4)。
 
(4)同被覆粒子の各 pH でのゼータ電位を
 測定した結果、中性付近では大きな
 負電荷を帯びており、血中でも高い
 分散性(注.血中で凝集すると免疫系に
 見付かりやすい)を有することが予想
 され、in vivo における医療用ナノ粒子
 としての可能性が示されました。
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 せっかくのドラッグデリバリシステムも
免疫細胞に補足されてしまっては意味が
ない。
 
 それを回避出来たとは素晴らしい。
 
 一刻も早く臨床の場へ、
 今後に大いに期待したい。

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