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2013年4月10日 (水)

哺乳類受精卵のリプログラミングに重要な遺伝子を世界で初めて発見

2013年4月5日
近畿大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 近畿大学生物理工学部の松本和也教授
・畑中勇輝大学院生(博士後期課程3年)
らの研究チームは、哺乳類の受精卵が全て
の細胞に自律的に分化する能力
(分化全能性)を獲得するために必要な
プロセスである「エピジェネティック情報
(遺伝子の発現を記憶するための情報)の
リプログラミング(書き換え)」において
重要な働きをする遺伝子「GSE」を、
世界で初めて同定しました。
 
 
 この研究成果は今後、精子や卵のもと
になる「始原生殖細胞」の形成時や
iPS細胞(人工多能性幹細胞)の樹立時に
起こる
エピジェネティック・リプログラミングの
理解にも貢献することが期待されます。
 
 それにより、いまだ低率である
体細胞クローン個体の作出効率や、
iPS細胞の作成効率の改善などに寄与する
ことも期待されています。
 
 哺乳類の受精では、生殖細胞
(精子および卵)のエピジェネティック情報
が、生物個体を形成する200種類以上の細胞
に自律的に分化可能な能力(分化全能性)を
持つ、受精卵のエピジェネティック情報に
書き換えられます
(エピジェネティック・リプログラミング)。
 
 このリプログラミングの分子メカニズム
については、遺伝子発現に必要なプロセス
である「能動的DNAの脱メチル化」
(エピジェネティック情報の1つで、DNAを
構成する塩基シトシンからメチル基が
特定の因子により取り除かれる現象)が
重要な生理現象であることが分かって
いましたが、その詳細な制御メカニズムは
未解明のままでした。
 
 これを解明するため、研究チームは、
受精時に卵の細胞質に存在する母性因子
であり、なおかつ自らクローニング(単離)
した生殖細胞でしか発現しない遺伝子
「GSE」に着目し、その解析をマウス受精卵
や初期胚において続けてきました。
 
 その結果、次の事実を見出しました。
 
 GSEは受精後、雄性のクロマチン
(DNAとタンパク質の複合体)にだけ結合
する。
 
 さらにGSEタンパク質は、クロマチンを
構成するヒストン(遺伝子が巻き付いた
タンパク質)のうちH3およびH4の2種類と
直接、結合する。
 
 受精卵の雄性ゲノム
(精子由来の遺伝情報)では通常、DNA複製
が始まる前に、ゲノム上に存在する
5-メチルシトシン(5mC)が
5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)に
転換されることで能動的にDNAが
脱メチル化されるが、GSEタンパク質の
発現を抑制した受精卵では、この5mCから
5hmCへの転換が抑制されている。
 
 以上の結果から、GSEは、受精時の
エピジェネティック・リプログラミングで
重要な生理現象である
「能動的DNA脱メチル化」の制御メカニズム
に深く関与していることを突き止めました。
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 エピジェネティックスの理解は
ある意味DNAの解析と同等
あるいはそれ以上に重要です。
 
>GSEが「能動的DNA脱メチル化」の
>制御メカニズムに深く関与している
>ことが分かった
 ということですね。
 
 今後、
エピジェネティック・リプログラミングの
メカニズムにおけるGSEが担う働きをより
詳細に理解することが求められている。
 ということのようです。
 
 今後に期待します。

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