活性酸素などから遺伝物質を守る仕組みを解明
2013/03/27
九州大学プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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九州大学大学院医学研究院の関口猛助教
は、福岡歯科大学先端科学研究センターの
関口睦夫教授、早川浩教授、
伊東理世子講師との共同研究によって、
活性酸素などによる酸化から遺伝物質を
守る仕組みを明らかにしました。
この仕組みの解明は、遺伝物質の酸化
によって引き起こされる人間のがん化や
老化の仕組みを明らかにするために重要
であると考えています。
本研究成果は、米国学術誌
『The Journal of Biological Chemistry』
電子版に 2013 年 2 月 3 日付けで公開
され、2013 年 3 月 22 日号の印刷版に
掲載されました。
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内 容
活性酸素などによって DNA や RNA、
ヌクレオチドが酸化されることは、生物
にとって大きな害となります。
人間を含め、酸素を使って生きている
生物は、これらが酸化されるのを防ぐ
仕組みを持っているはずです。
研究チームは、酸化された
ヌクレオチドを排除する仕組みを研究して
きました。
生物は、細胞を基本単位として構成
されています。
そのため生命現象の仕組みは、一つの
細胞である大腸菌でも、人間でも、基本的
には同じようなものであると言うことが
できます。
本研究では、大腸菌を使用し、
ヌクレオチドを作るために働いている
3つのタンパク質(GMK,ADK,NDK)を詳細に
調査しました。
その結果、研究チームは GMK だけが、
酸化された原料(8oxoGMP)を使わず
酸化されていない原料(GMP)だけを使う
ことを明らかにしました。
酸化されたヌクレオチド(8oxoGTP)は
MutT というタンパク質によって分解されて
8oxoGMP ができることは分かっていました。
この分解されてできた8oxoGMP を GMK が
使わないことがこの研究で判明しました。
一度分解された酸化ヌクレオチド
(8oxoGMP)が、また使われては意味が
ありません。
それを回避する働きをこの GMK
というタンパク質が担っていることも
明らかにしました。
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>GMK や MutT などの酵素は、活性酸素
>による悪い作用を取り除くことができる
>ため、重要な酵素です。
>食品などの環境中の化学物質で、
>GMK や MutT などの働きを邪魔するもの
>があれば遺伝物質を傷つけてがん化や
>老化を進めることになります。
なるほど。
人が本来持っている仕組みの一部が
解明されたということですね。
酸化ストレス関連での既投稿記事には
2012年10月31日 東京大学
というのがありました。
ご参考。
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