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2013年4月17日 (水)

生きた状態での生物の高解像度電子顕微鏡観察に成功

科学技術振興機構(JST)
浜松医科大学
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
(AIMR)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 JST課題達成型基礎研究の一環として、
浜松医科大学の針山 孝彦 教授は、
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の
下村 政嗣 教授らと共同で、高真空下でも
生命を保護できる生体適合性プラズマ重合
注1)膜を発明し、生きたままの状態で
生物の高解像度な電子顕微鏡観察に成功
しました。
 
 生物の体表は、多様な環境に対応する
ために細胞外物質(ECS)注2)で
覆われています。
 
 しかし、電子顕微鏡観察で行われる
高真空下のような極限状態では、
細胞外物質は内部の物質の放出を抑制する
ことができず、体積が収縮し表面微細構造
は大きく変形してしまいます。
 
 そこで、できるだけ生きた状態に近い
微細構造を観察するため、これまでは
化学固定や試料の乾燥、金属蒸着などの
表面ハードコーティング処理を行い、
死んだ試料を観察していました。
 
 本研究グループは、ショウジョウバエや
ハチの幼虫など一部の生物がもつ
細胞外物質に電子線またはプラズマを照射
することで、高真空下でも生物内部に
含まれる気体や液体が奪われることを防ぐ
ナノ重合膜(ナノスーツ)が形成される
ことを明らかにしました(図1)。
 
 さらに、その細胞外物質に類似した
化学物質を塗布してナノスーツを形成
させると、生きたままで高分解能な
電子顕微鏡観察(動画1、動画2、動画3)
が可能になりました。
 
 今後は、これまで観察していた死んだ
生物の微細構造ではなく、さまざまな生物
を生きた状態で本来の微細構造や運動を
直接観察できるようになり、生物のもつ
未知の生命現象や行動の解明が
期待されます。
 
 本研究成果は、米国科学雑誌
「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」
のオンライン速報版で
2013年4月15日の週
(米国東部時間)に公開されます。
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>「生きた状態でさまざまな生物試料の
>微細構造」を観察できるようになります。
 
 素晴らしい。
 ナノスーツ良いですね。
 
 大いに期待できそうです。
 
生物学、農学や医学などの生命科学分野
>での発展のみならず、
生物模倣技術をはじめとする「ものづくり」
>の分野への著しい発展に大きく貢献する
 かも知れません。

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