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2013年4月16日 (火)

iPS細胞による細胞療法の現状

2013年04月15日
Neurology 興味を持った「神経内科」論文
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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A.パーキンソン病移植治療
 
 PS細胞治療の課題としては,
①合成基質によるドパミン神経誘導
(通常,iPS細胞の培養には
 マウスフィーダー細胞を使用するが
 これを使用しないようにする),
②ドパミン神経細胞の純化
(未分化な細胞が残ると奇形腫が形成
 されるため),
③霊長類を用いた評価系,
 の3つが挙げられる.しかし,これらは
技術的にはほぼクリアしている.
 
 治療の対象は孤発性パーキンソン病
である.
 家族性パーキンソン病は別の病態と
考えているため,現在は対象外である.
 今後,1~2年かけて有効性,安全性を
検証する,そして平成27年をめどに
臨床研究を開始したい.
 
 
B.加齢黄斑変性症
 
 iPS細胞の臨床応用が最も早いと
考えられている疾患である
滲出型加齢黄斑変性症に対する現状の報告.
 
 まずこの疾患で障害される黄斑は,網膜
の中で解像度が最も高い部分であり,
視細胞の密度が高い.その視細胞を
メンテナンスする細胞が網膜色素上皮で,
いわば視細胞の元気を回復する作用を
もつ.
 
 滲出型加齢黄斑変性症では,網膜色素
上皮が加齢で劣化し,その結果,
新生血管が形成され,血漿成分が滲出し
視力が低下する.
 
 数年前から抗VEGF
(血管内皮細胞増殖因子)薬で初めて治療
ができるようになった.
 
 しかしこの治療は1回10数万円かかり,
かつ数カ月ごとに繰り返す必要がある.
 薬剤は海外製で,医療費はみな海外の
製薬会社に行ってしまう.
 以上の理由で,iPS細胞から作った
網膜色素上皮を移植する根本的療法を
行いたいと考えた.
 
 自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート
の品質規格と安全性の評価を徹底的に
行なっている.
 
 品質は遺伝子発現パターンから見ている
が,由来が異なるiPS細胞から作った場合も
同一のパターンとなっている.
 
 安全性は,造腫瘍性試験を徹底的に
行って確認している.
 
 網膜色素上皮は腫瘍を作りにくい.
 
 そもそも目では腫瘍はできにくく,
万が一,腫瘍化しても
OCT(光干渉断層計)で確認ができる.
 
 万が一の時はレーザーで焼灼できる
ので,何重にも安全弁があり,
臨床応用をしやすい.
 
 
C. 印象
 パーキンソン病におけるiPS細胞を用いた
細胞治療の臨床試験の開始は案外早い
のだと驚いた.
 
 成功を期待したいが,L-dopaなど
抗パーキンソン剤を用いた内服治療と
良い面,悪い面でどのように異なるのか,
とくに抗パーキンソン剤で問題となる
副作用は細胞療法ではどうなるのか
という議論が必要と感じた.
 
 移植後長期的に発がんゼロという条件が
どれだけクリアされているのかも重要と
感じた.
 
 また加齢黄斑変性症の講演での
「再生医療は夢の治療ではない.期待し
過ぎは困る」という発言はやはり印象的
であった.
 
 再生医療に対する人々の期待はきわめて
大きいが,iPS細胞療法の現状で期待される
効果と問題点を正しく理解し,
かつ見守っていく必要があると感じた.
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 参考になりますね。
 各自判断してください。
 
 iPS細胞による再生医療は期待が大きい
だけに
>また加齢黄斑変性症の講演での
>「再生医療は夢の治療ではない.期待し
>過ぎは困る」という発言はやはり印象的
>であった.
 
 と言う言葉はしっかり受け止めて
おかないといけないと思います。
 
 残念ですが、なんでも一足飛びには
いかないものです。

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