染色体工学の新たな幕開け! 高等動物のセントロメア作製に成功
平成25年3月22日
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
--------------------------------------
生物学の教科書を書き換えるような
根本的な発見が、染色体研究の分野で
起こっています。
長い間謎に包まれていた染色体の
セントロメア──その正体を明らかに
してきた国立遺伝学研究所の深川竜郎教授ら
のグループは、今回、セントロメアを
人工的に作成する画期的な染色体改変技術
を考案しました。
分子生物学の基本的な技術として、
医学や農学などの分野で今後大いに活用
されると期待されます。
生命の設計図である遺伝子は、
細胞分裂のたびに新たな細胞にきちんと
受け継がれていきます。
遺伝子を安全に次世代に「運ぶ」こと
は、細胞の大切な仕事であり、細胞には
そのための精巧な仕組みが備わっています。
その1つが、遺伝子を積み込む「乗り物」
としての染色体と、染色体の中央部で、
染色体の「運転手」としての役割を果たす
セントロメアです。
ヒトの病気の研究から、運転手である
セントロメアが何らかの理由で働けなく
なったときに、「控えの運転手」
(ネオセントロメア)が現れるという
珍しい現象が知られていました。
そこで深川教授らは、ネオセントロメア
を自在に作成する技術を開発し、
それが染色体のどこに現れ、どのような
性質を持つかを調べました。
その結果、ネオセントロメアは、
CENP-A(センプ A)という
ヒストンタンパク質が含まれる染色体上
の位置に作られること、今回作成した
ネオセントロメアが本来のセントロメアと
遜色ない働きを果たすことがわかって
きました。
今回の研究では、染色体が運ばれる機構
(染色体分配)の基本的な仕組みが明らか
になったことに加えて、染色体を改変する
新しい技術をも考案しています。
すなわち、既存のセントロメアを壊し、
染色体の任意の位置に新しいセントロメア
を作る技術です。
今回は、ニワトリの培養細胞を実験に
用いていますが、この原理は他の高等動物
にも応用でき、
例えば遺伝子デリバリーシステムなどに
使用可能なヒト人工染色体の開発に利用
されていくことでしょう
--------------------------------------
>染色体工学の新たな幕開け!
だそうです。
>どのようにセントロメアができていくか
>という仕組みの一部を解明しており、
>染色体不全を伴う「がん」などの
>疾患研究の視点からは、意義の高い研究
>と言うことができます。
>加えて、セントロメアが
>エピジェネティックな機構でできる
>ということを、実験的に証明した
>といと言う点からも、大変意義深い
>研究です。
素晴らしい成果のようです。
今後の発展に期待したい。
| 固定リンク
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント