多発性硬化症(MS)の発症メカニズムを解明
2013年2月22日
国立精神・神経医療研究センター
プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
---------------------------------------
独立行政法人 国立精神・神経医療研究
センター神経研究所の免疫研究部部長
山村隆、同室長 大木伸司および
ベン・レイバニー研究員らの研究グループ
は、日本において患者数が急速に増加しつつ
ある多発性硬化症(MS)の新しい治療法の
開発につながる発症メカニズムの解明と
病態改善の手がかりを発見しました。
山村らの研究グループはこれまでに、
多発性硬化症(MS)の炎症を引き起こす
サイトカイン
(インターロイキン17:IL-17)の分泌
に「NR4A2」というタンパク質がかかわって
いることを明らかにしてきましたが、
この度の研究では、この炎症性サイトカイン
(IL-17)の産生がNR4A2によって制御される
メカニズムを解明するとともに、生体内
におけるNR4A2の機能を抑制すること
により病態を顕著に改善できることを
明らかにしました。
今回の研究によって、炎症を起こす
サイトカイン発現に至るメカニズムを解明
し、それを制御するタンパク質を特定できた
ことは、化学的に安定した薬を開発する上で
極めて意義ある研究成果と言えます。
今後、病原性T細胞を標的としたMSの
新しい治療法の開発へとつながるものです。
この研究成果は米国科学雑誌
「PLoS ONE(プロスワン)」オンライン版
で、2013年2月22日
(報道解禁日時:米国太平洋標準時
2月21日午後2時)に掲載されました。
---------------------------------------
素晴らしい成果のようです。
>MSなどの自己免疫疾患は、自らを攻撃
>してしまう病原性Tリンパ球が
>その発症のメカニズムに深く関与して
>いると考えられ、
>中でも炎症性サイトカインである
>インターロイキン17(IL-17)を産生
>するTh17細胞が注目されています。
>また、MSの類縁疾患である視神経脊髄炎
>(NMO)でも、その発症へのTh17細胞の
>関与が指摘されています。
>そこで、これらの疾患の克服には
>病原性リンパ球の機能を制御することが
>必須と考えられるようになりましたが、
>すでに治験段階に進んでいる各種の
>抗サイトカイン療法は、これまでの
>ところ必ずしも十分な成果を得るに
>至っておらず、病原性リンパ球
>そのものを標的とした治療法の確立が
>望まれていました。
前から言われていましたね。
今回の解明から、
- 病原性T細胞標的とした新たな
多発性硬化症治療法開発への応用に
期待 -
---------------------------------------
“NR4A2特異的siRNA”のマウスへの
直接投与によりEAEの病態が抑制されたこと
から、これらの合成核酸が、多発性硬化症
などのT細胞依存性自己免疫疾患の
病態改善に有効である可能性が高まり
ました。
またNR4A2によるTh17細胞機能制御
メカニズムが解明されたことにより、
例えばIL-21遺伝子などの発現抑制を指標
とした、NR4A2を標的とする小分子化合物
のスクリーニングによる新規治療薬の同定
への道が開かれ、多発性硬化症に対する
これまでにない画期的な治療法の確立
への可能性が広がるものと期待されます。
---------------------------------------
素晴らしい。
>多発性硬化症に対する
>これまでにない画期的な治療法の確立
>への可能性が広がる
大いに期待したい。
| 固定リンク
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント