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2013年2月27日 (水)

患者さん由来 iPS 細胞でアルツハイマー病の病態を解明

2013年2月20日
京都大学 iPS 細胞研究所(CiRA)
長崎大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
・アルツハイマー病患者注1)さんのiPS細胞
 注2)を用いて、若年発症および高齢発症
 どちらも共通に、アミロイドベータ(Aβ)
 注 3)というタンパク質が、細胞内に蓄積
 するタイプがあることを明らかにした。
 
・細胞内に蓄積した Aβ は凝集物
 (Aβ オリゴマー注 4))となり、
 細胞内ストレスを引き起こしたが、
 Aβ 産生阻害剤(BSI)注 5)もしくは
 DHA 注 6)投与によりそのストレスは
 軽減した。
 
・iPS 細胞技術による、疾患の病態解明
 および創薬研究に加え、「病態を予め
 予測し、適切な治療を提供する
 先制医療注 8」」への道筋を示した。
 
 
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要旨
 近藤孝之大学院生(京都大学大学院
医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学
(高橋良輔教授)/CiRA
リサーチアシスタント/JST CREST)、
井上治久准教授
(京都大学 CiRA/JST CREST/JST 山中
iPS 細胞特別プロジェクト)、
岩田修永教授(長崎大学薬学部/JST CREST)
の研究グループは、山中伸弥教授
(京都大学 CiRA/JST 山中 iPS 細胞特別
プロジェクト)らの研究グループと協力し、
複数のアルツハイマー病(AD)の患者さん
ごとに存在する病態を明らかにして、
iPS 細胞を用いた先制医療への道筋を
示しました。
 
 筆者らは、若年性(家族性)AD の
原因遺伝子であるアミロイド前駆体
タンパク質(APP)に遺伝子変異をもつ患者
さんと、家族歴のない高齢発症(孤発性)AD
の患者さんの皮膚から iPS 細胞を作製し、
大脳の神経系細胞に分化誘導させました。
 
 解析の結果、APP-E693Δ と呼ばれる変異
があると、アミロイドベータ(Aβ)という
タンパク質がオリゴマーと呼ばれる凝集体
となって細胞内に蓄積し、小胞体ストレス
注 9)と酸化ストレス注10)を引き起こし、
細胞死を生じ易くすることがわかりました。
 
 また、ドコサヘキサエン酸(DHA)
によって、これらの細胞内ストレスは軽減
され、神経細胞死も抑制されました。
 さらに高齢発症の孤発性 AD 患者さんの
中にも APP-E693Δ 変異と同様の
細胞内 Aβ オリゴマーおよび細胞ストレス
が見られるケースがあることがわかり
ました。
 
 これらの研究結果は、iPS細胞技術応用
は、疾患の病態解析や創薬研究に留まらず、
孤発性を含めた患者さんごとの病態を事前
に把握し適切な治療介入を行う「先制医療」
にも用いることができることを示して
います。
 
 この研究成果は2013年2月21日
(米国東部時間)に米国科学誌
「Cell Stem Cell」のオンライン版で公開
されます。
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 iPS 細胞の典型的な応用例ですね。
 さらに解明されることに期待しています。
 
 別記事によると、DHA投与による
細胞内ストレス軽減効果は、DHA濃度が
希薄な場合のようです。

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