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2013年1月 6日 (日)

フリーラジカルを消去する能力を可視化 ~病気になりやすい体を見つけるイメージングへ~

2012年12月21日
独立行政法人 放射線医学総合研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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本研究成果のポイント
 
・放射線障害、がん、動脈硬化など多くの
 病気の原因となるフリーラジカルから
 身を守る能力を、造影剤と高磁場MRIを
 使って検出・イメージングする手法を
 開発した。
 
・加齢やストレスによりフリーラジカルの
 消去能力が弱くなることが示唆されて
 いたが、がんになると、がん組織だけ
 でなく正常な組織でも、消去能力が
 弱くなる様子の可視化に成功した。
 
・この新手法により「フリーラジカルへの
 抵抗性」を調べることで、多様な病気の
 発症前診断につながることが
 期待できる。
 
-------
 活性酸素※1は、放射線被ばくをした際
に最初に生じる物質で、中でも
フリーラジカル※2は放射線障害の主要な
原因とされています。
 
 また、放射線による影響のみならず
活性酸素は呼吸など生命を維持する活動
の際にも常に体内で作られていて、
健康な体では活性酸素やフリーラジカル
を分解・消去する機構が働いています。
 
 しかし、このような機構が障害を受け
フリーラジカルを分解できなくなると、
がん・動脈硬化・心筋梗塞や脳梗塞など
の生活習慣病、あるいは肌のしみや
色素沈着などの加齢性変化など、様々な
病気の発症や悪化、老化につながると
考えられています。
 
 独立行政法人放射線医学総合研究所
・分子イメージング研究センター※3の
バカロヴァ・ルミアナ主任研究員、
青木伊知男チームリーダーらは、
高磁場MRI※4と、造影剤
(ニトロキシル・ラジカル化合物)※5を
使って、「フリーラジカルを消去する能力」
がどのくらいあるかを、生体イメージング
によって体を傷つけることなく調べる方法
を開発し、実験によって実証しました。
 
 この造影剤はフリーラジカルを消去する
能力が高い状態(つまり、抵抗力がある
状態)ではMRIの信号が消えるよう設計
され、健康なマウスに投与すると、
フリーラジカルを分解する酵素等の働き
により信号がすぐに消えました。
 
 一方、がん組織では、MRIの信号が長時間
消えずに残りました。
 
 本研究では、がんがあるマウスでは、
がん組織だけでなく、がんとは関係ない
と思われる「正常な組織」でも信号が
消えずに残ることを初めてイメージング
で確認しました。
 
 つまり、この手法を応用すると、がんや
病気の部位が特定されていなくても、
フリーラジカルを消去する能力が弱く
なった全身の状態(つまり、抵抗性が
小さい状態)を「見る」技術につながる
ことを意味します。
 
 フリーラジカルは、放射線が生体に
与える影響や放射線治療において、重要な
役割を果たしており、本技術は将来、
例えば、個々の放射線被ばく感受性の推定
や放射線治療の効率化につながることや、
がん等フリーラジカルと関連する疾患の
超早期診断に向けての要素技術になること
が期待できます。
 
 本研究は12月20日に、がん専門誌
European Journal of Cancerの
オンライン版に掲載されました。
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 面白い研究ですね。
 
 何故、がんになると、がん組織だけ
でなく正常な組織でも、消去能力が弱く
なるのでしょうか?
 
>本研究は、当研究所の重要な使命である
>放射線の生体影響を検出・評価する
>イメージング手段として、また、
>より広く国民の健康維持に役立つ、
>生活習慣病の予兆を検出する手段の
>両方に展開が可能であると
>考えられます。
 とのことです。期待したい。

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