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2013年1月 6日 (日)

バクテリアの抗生物質適応能を高めるパーシスタンス現象の解明進む

平成25年1月4日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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<発表のポイント>
 
○どのような成果を出したのか
 抗生物質投与に対して遺伝子変異なし
 で集団内部の一部のバクテリアが
 生き延びる「パーシスタンス現象」が、
 細胞の生存に関わる細胞内酵素の
 確率的発現により引き起こされることを
 発見した。
 
○新規性(何が新しいのか)
 バクテリアの抗生物質への応答を
 1細胞レベルで測定することに成功。
 70年もの間、明確な直接証拠が
 見つからないままに信じられてきた
 「ドーマント細胞仮説」が否定された。
 
○社会的意義/将来の展望
 細胞の高い適応能のメカニズムの解明
 につながる可能性があるとともに、
 感染症治療の効率化、投薬設計の改良
 につながることも期待される。
 
 
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 バクテリアのクローン細胞集団
(遺伝情報に細胞ごとのばらつきがなく
均一な集団)に、抗生物質などの致死的な
ストレスを与えると、ほとんどの細胞が
死ぬ一方で、遺伝的には同じ情報を持つ
にも関わらずごく少数の一部の細胞が
長期間生き残り、抗生物質がなくなると
再び増殖するという現象が一般的に
起こります。
 
 この現象は「パーシスタンス」と
呼ばれ、結核などの感染症治療では
投薬効率の低下と関連する重要な現象
であるにも関わらず、パーシスタンスが
なぜ起こるのかについては、これまで
ほとんど解明されていませんでした。
 
 これは、細胞集団の中で起こる、
ひとつひとつの細胞の状態変化を調べる
技術がなく、解析できなかったためです。
 
 従来は「パーシスタンス現象は、
集団内に成長も分裂もしない
ドーマント細胞が含まれていて、
これが抗生物質投与下で生き延びるために
生じる」という「ドーマント細胞仮説」が
多くの研究者によって信じられてきました。
 
 東京大学 大学院総合文化研究科
・教養学部附属 複雑系生命システム
研究センターの若本 祐一 准教授
(JST さきがけ研究者 兼任)らは、
クローン細胞集団に含まれる
ひとつひとつの細胞の抗生物質への応答を
観察できるマイクロ流体デバイスを
作製し、これを用いて、結核菌の近縁種
であるMycobacterium 
smegmatis の
パーシスタンス現象を1細胞レベルで
解明することに成功しました。
 
 その結果、抗生物質イソニアジド
に対するパーシスタンス現象では、
細胞の生存確率と細胞の成長率のあいだ
に相関はありませんでした。
 
 このことから、従来多くの研究者が
信じてきた「ドーマント細胞仮説」を
否定する結果を得ました。
 
 さらに、このパーシスタンス現象の
原因が、イソニアジドの働きに必要な
酵素KatGが細胞ごとに確率的に発現
することから、KatGをほとんど
持たない細胞が集団内に一定数現れる
ためであることを見出しました。
 
 ドーマント細胞仮説を前提とした
創薬の研究は今も行われていますが、
この研究で得られた、細胞内で一般的に
見られる確率的な遺伝子発現が、細胞の
生存や集団の適応に重要であることを
示唆するとともに、この結果を応用する
ことで、感染症治療の効率化や投薬設計
の改善などにも役立つことが期待されます。
 
 なお、本研究はJST 戦略的創造研究
推進事業 個人型研究(さきがけ)研究領域
「生命現象の革新モデルと展開」
(研究総括:重定 南奈子 奈良女子大学
名誉教授)における研究課題
「バクテリアのパーシスタンス現象と
原始的な表現型適応」の一環として
行われました。
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>パーシスタンスでは、生き残る細胞と
>死ぬ細胞とのあいだに遺伝型の差が
>見られません。したがって、遺伝子変異
>によって生じるいわゆる「薬剤耐性菌」
>とは異なり、その背景機構を遺伝学的に
>説明できず、これまでその研究は
>ほとんど進んでいませんでした。
 
 パーシスタンス現象ね~
 
 抗生物質などで発生する耐性菌の話は、
>遺伝子変異によって生じるいわゆる「薬剤耐性菌」
 のことだと思っていましたが、
パーシスタンス現象というものがあるん
ですね。
 
 抗生物質を使用しても一定確率で
耐性のある細胞が残ってしまうという
ことのようです。
 
 一筋縄ではいかず、なかなか大変ですね。
 
>ここで開発した計測技術は、創薬の現場
>などで薬剤に対する細胞の応答を詳細に
>調べる重要なツールとなりうるとともに、
>そこから得られる知見は、感染症治療の
>効率化や投薬設計の改善などへ
>応用できる可能性もあります。
 とのことです。 期待しましょう。

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