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2012年8月10日 (金)

そこが聞きたい:低線量被ばくの影響 インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏

そこが聞きたい:低線量被ばくの影響
インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏

2012年08月09日 毎日jp

詳細は、リンクを参照して下さい。

気になったのは以下の記事です。
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◆放影研の調査は、直接被爆者の
健康リスクを入市被爆者
(原爆投下後に爆心地に入った人)や
遠距離被爆者と比べていた。

そこで私は日本人のがんなどの平均的な
発症率や死亡率と比較し、入市被爆者や
爆心地から2・5キロ以上離れた所にいた
遠距離被爆者の相対的なリスクを求めた。

その結果、白血病や呼吸器系・消化器系
のがんによる死亡率は全国平均を上回り、
発症率は甲状腺がん、白血病、
女性の乳がんで1・5~4・1倍だった。

 放射性降下物(黒い雨、死の灰など)
による内部被ばくの影響が大きいことを
示す結果だが、当時の学界の常識とは
異なっていたため、国際的な医学雑誌に
論文を投稿したところ、いったん掲載を
拒否された。

 その後、編集部から提案を受け、
論文ではなく編集者への手紙という形で
掲載された。

◆確かに、放影研の調査は重要な情報だ。
 しかし、原爆投下から最初の5年間の
データが欠けている

▽心身が傷つき適切な医療を受けられ
なくても生き残った「選ばれた人々」の
データである

▽原爆投下後の残留放射線を無視している
-- などの理由で、限定的な情報でもある。

一方でこの数十年間、原子力施設の事故や
原発労働者、医療用X線照射、自然放射線
などに関して、さまざまな研究で
低線量被ばくの健康影響が裏付けられて
きた。

だが、そうした研究の多くは広島・長崎の
データと矛盾することを理由に無視されて
きた。

ICRPのリスク評価は特に、長期間
受け続ける低線量被ばくの影響を
過小評価しており、がん以外の病気への
意識も欠けている。

 --日本の原爆症認定を巡る集団訴訟では
残留放射線による内部被ばくで健康被害を
受けたと訴えた原告側が勝訴して
きました。

しかし、国は「内部被ばくの影響は無視
できる」という従来の主張を変えて
いません。

◆多くの国で同様のことが起きている。
公の機関が内部被ばくを認めれば、
原発労働者の健康リスクに対して責任を
認めざるを得ないからだ。
原発労働者は、福島で被ばくした人々と
同じ問題を抱えている。
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もっともな意見だと思います。

「広島の黒い雨の影響を」米国の調査
も、それを受けた放影研も無視していた。
というNHKの放送を見ました。

黒い雨に関するデータを自分達が
持っているにも係わらず、当該人々に
知らせず、従ってそれらの人は
その存在を知らず、裁判ではそのことを
自分達で証明せよと言う。
全くひどい話があったものだと思う。

>ICRPのリスク評価は
>特に、長期間受け続ける低線量被ばく
>の影響を過小評価しており、がん以外
>の病気への意識も欠けている。
同感です。

チェルノブイリからの報告という取材
から見ても同様のことが言えます。
がん以外にも影響が出るようです。

低線量被曝を受けた人々と、そうでない
人々の平均的な発症率や死亡率と
比較することは必須だと思います。

放影研の調査は短時間の直接被曝を
前提としたものなのです。

低線量被曝の長期にわたる影響調査を
是非実施して貰いたい。

影響がないはずがない。

低線量被曝を受けた人々は
その影響を知る権利があるはず。

不完全な調査で、
どうして影響がないと断言できるのか
理解出来ない。



インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏
は欧州放射線リスク委員会の委員長です。

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