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2012年7月30日 (月)

自家培養軟骨細胞「ジャック」の発売に向けた動きが始まる

自家培養軟骨細胞「ジャック」
の発売に向けた動きが始まる
Wed, 25 Jul 2012
個の医療メール Vol.442

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 ある意味で究極の個の医療である、
自家培養細胞の商品化第2号となる
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
が開発した自家培養軟骨細胞「ジャック」
の発売に向けた動きが始まりました。

 すでに2012年6月22日に薬事・食品衛生
審議会の医療機器・体外診断薬部会で
製造販売が承認され、正式認可を待つ
ばかりの状態です。

 自家培養細胞の商品化第一号の
自家培養表皮「ジェイス」は重傷火傷
といういう極めて限定した患者を対象とし、
なおかつ発売当初は30枚という厳しい
使用制限があったため、必ずしも同社の
収益には貢献するものではありません
でした。

 勿論、同社は必死のコスト削減を行って
いますが、ジェイスだけでは同社の成長は
確保できない苦しい台所です。

 ジャックも外傷性軟骨欠損症、
離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)
の臨床症状の緩和、しかも他に治療法
がなく、軟骨欠損免責が4平方cm以上の
軟骨欠損部位に限定されました。
が、老齢化が進む我が国の市場では
間違いなく、ジャックによって症状が
緩和される患者数は大きな市場を形成
します。

 承認条件として、専門性のある医師や
施設の選択と市販後の全例調査が義務づけ
られました。

 こうした制約も症例が蓄積が解決すると
考えています。

 同社も2012年の最大の経営目標として
ジャックの承認・発売を上げています。

 2013年3月期では1億1000万円の売り上げ
を期待しています。

 ジェイスは5億3000万円を見込んで
います。

 但し、2014年3月期には全体の売り上げ
を約14億円弱、15年3月期は21億円超を
計画しており、この大きな売り上げ増の
エンジンはジャックであることは
言うまでもありません。

 但し、15年3月期でも営業利益は3億円の
赤字を計上する計画であり、再生医療
というイノベーションに挑戦する
ベンチャーのリスクがいかに大きいか、
実感することができます。

 同社の目論見が成就するかどうかは、
承認から3ヶ月後に決まる保険償還価格次第
であります。

 どれだけ再生医療という技術革新を評価
できるのか?

 国家戦略として医療イノベーションの
推進に大きく踏み出し、再生医療実用化の
加速を打ち出した我が国の本気度を測る
尺度にもなるのです。

 と、こう考えるのが一般の常識的な国民
であります。

 これから中央社会保健医療協議会に
場所を移して償還価格が議論されます。

 しかしどうやら取材を進めると、
「薬事法が改正されていない
(今年度改正予定、最悪の場合、来年度)
以上、今まで通りの特定医療材料
(これにジャックが相当)の償還価格の
算定方式に従わざるを得ない」という意見
がほとんどであるのです。

 現場はまったくの石頭、政府が旗振る
医療イノベーションなど馬耳東風で
あります。

 ジャックは医療機器
(機械器具07 内臓機能代替器)として
製造販売承認を得ました。

 膨大な研究開発投資の回収を前提に
保険薬価が算定される新薬とは、
保険償還価格の算定方式が異なります。

 例えば、原価積み上げ方式をとる場合
でも、現在までに保険償還が認められて
いる特定医療機器の全製品の平均値を、
利益や一般管理費として算定するのが
慣例です。

 利幅や一般管理費や研究開発投資の
少ない医療機器や医療材料を全部平均する、
このやり方では企業が自家培養細胞製品で
収益を得ることは本当に困難です。

 ジェイスはこの保険償還価格の罠に
はまったのです。

 しかし、一方で新薬なみの製造設備への
投資と臨床試験を要求される再生医療で、
製品の価格をほとんどリスキーな
研究開発投資を要求されず、一部改良で
新製品を続々と発売できる医療機器と
同じやり方で良いのか?

 深刻な疑問です。

 ジェイスの時も一部では問題視した議論
もありましたが、我が国初の再生医療実用化
の報道の陰で、この問題の本質的な議論が
忘れさられていました。

 08年12月にジェイスの償還価格が
決まった時からの宿題を私たちはまだ
解いていないのです。

 私は我が国の高齢化社会の問題の一部を
解く切り札となる再生医療の実用化に関し
て、保険償還価格としてインセンティブを
つけるべきであると考えています。

 少なくとも製品価格には医薬品と同様に、
研究開発に再投資でき、製造物責任に
耐えられる収益を確保できる合理的な
保険償還価格の決定が必要だと考えます。

 内閣官房の医療イノベーション推進室
だけでなく、現場である厚労省と中医協の
真摯な対応を求めたいと思います。

 さもなくば、国家が再生医療の笛を
吹いても、誰も踊らない。

 まさに来たるべき総選挙に向けた
リップサービスに終わります。

 私たちは未来に対して責任を果たさなく
てはなりません。

 財源は収益を回収し終えた長期収載品の
薬価引き下げが適当だと思います。

 イノベーション無きところ、国民の幸福
もありません。
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>現場はまったくの石頭、政府が旗振る
>医療イノベーションなど馬耳東風で
>あります。
全く同感です。情けないの一言です。

本気で医療イノベーションを考えている
のかと思いたくなる。

これでは、ベンチャーなど育たない。
お先真っ暗に見える。

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