霊長類の複雑な脳神経回路から特定の経路を選り分ける"二重遺伝子導入法"を開発 脳から筋肉に至る"間接経路"も指先の巧みな動きをコントロールしていることを発見
霊長類の複雑な脳神経回路から特定の経路
を選り分ける"二重遺伝子導入法"を開発
脳から筋肉に至る"間接経路"も指先の
巧みな動きをコントロールしていること
を発見
― 高次脳機能解明の方法論に大きな
突破口 ―
― 特定の神経回路を標的にした
遺伝子治療法開発へ期待 ―
2012.06.18
生理学研究所プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ヒトを含めた高等な霊長類は、手を巧みに
動かす能力を身につけたことで、爆発的な
進化を遂げたとされています。
このように手指を一本ずつ器用に動かす
能力は、大脳皮質の運動野が、筋肉を支配
している脊髄の運動神経細胞に直接接続する
ようになったからと考えられてきました。
一方で、ネコやネズミといった、より下等
で手先が不器用な動物では大脳皮質からの
指令は脊髄の介在ニューロンを介して間接的
にしか運動神経細胞につながっていません。
このような“間接経路”は我々霊長類にも
残っていますが、何をしているのかは
よくわかっていませんでした。
このように進化の過程で残された
“古い回路”が高等動物の脳でも使われて
いるのか?それとも邪魔だから抑制されて
いるのかについては、多くの議論が
ありましたが決着はついていませんでした。
今回、自然科学研究機構・生理学研究所
の伊佐正教授・木下正治特任助教らと
福島県立医大・京都大学の共同研究チーム
は、新しい二種類のウイルスベクターを
組み合わせることで特定の経路選択的に
遺伝子を導入する方法(二重遺伝子導入法)
を新たに開発し、この間接路を中継する
脊髄介在ニューロン系(脊髄固有ニューロン
:propriospinal neuron)を選択的に抑制
することに成功しました。
これにより“間接経路”が、実は手指の
巧みな動きを作りだすことに重要な役割を
果たしていることが明らかになり、長年の
論争に決着がつきました。
今回の研究で鍵となったのは、2種類の
新しいウイルスベクターを組み合わせて、
特定の神経回路を選択的・可逆的に遮断する
技術の開発に成功したことです。
これまで生殖細胞での遺伝子改変が可能
だったマウスではこのような操作は可能
でしたが、霊長類では不可能でした。
今回開発された方法を用いることで、
将来、特定の神経回路を標的とした脳神経
の遺伝子治療が大きく進むことが期待
されます。
伊佐教授は「今回開発した霊長類への
二重遺伝子導入法は、同じ高等哺乳類
である人間の脳神経の遺伝子治療にも応用
できる方法として期待できます。
また、脊髄は単なる反射の経路ではなく、
精緻な運動を制御する高度な役割を担って
いることを見つけた教科書の常識を覆す
発見です」と話しています。
文部科学省・脳科学研究戦略プログラム
(課題C)にもとづく、福島県立医科大学
・京都大学との共同研究による研究成果
です。
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この研究の社会的意義
1.特定の神経回路を標的にした
遺伝子治療法開発へ期待
2.脊髄は単なる反射の経路という
教科書的常識を覆す成果
3.高次脳機能解明の方法論に大きな突破口
4.脊髄損傷後のリハビリテーションに
理論的基礎を与える成果
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>霊長類の複雑な脳神経回路から特定の
>神経回路を選り分ける
>“二重遺伝子導入法”の開発
>脊髄は単なる反射の経路という
>教科書的常識を覆す成果
だそうです。
素晴らしい成果ですね。
期待出来そうです。
>脊髄損傷後のリハビリテーションに
理論的基礎を与える成果
と言うことにも注目したい。
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