めしべが持つ秘められた受精回復機構を発見
めしべが持つ秘められた受精回復機構を
発見
-植物は失敗に備えたバックアッププラン
を持っている-
平成24年5月18日
科学技術振興機構(JST)
名古屋大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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JST 課題達成型基礎研究の一環
として、JST 戦略的創造研究推進事業
ERATO型研究「東山ライブホロニクス
プロジェクト」(研究総括:東山 哲也
名古屋大学 大学院理学研究科 教授)の
笠原 竜四郎 研究員らは、植物のめしべが
受精に失敗した時に、積極的に受精を回復
する仕組み(受精回復システム)が存在
することを発見しました。
めしべに複数の花粉が受粉すると、複数
の花粉管が一斉に伸長しますが、卵細胞
には1本の花粉管だけが到達して受精する
ことが知られています。
動物のように多数の精子が卵に到達して
競争の末に受精するケースとは異なり、
植物では1本の花粉管、いわばたった1人
の相手に受精を託すと考えられて
きました。
笠原研究員らは、半数の花粉管が受精
できない精細胞を持つシロイヌナズナの
突然変異体を調べている時に、期待される
よりも多くの種子が作られることに注目
しました。
これまで、めしべの中の花粉管を全て
観察することは困難でしたが、今回高度な
解剖技術でこれを達成しました。
その結果、これまではまれにしか
起きないと考えられていた、卵細胞に
2本の花粉管が到達する現象が、高頻度
(約40%)で起こっていることを発見
しました。
さらに、1本目の花粉管が受精に失敗
した場合に、卵細胞を含む組織が2本目の
花粉管、いわば2人目の相手を呼び寄せ、
受精を回復することを突き止めました。
多くの植物で、卵細胞の隣には助細胞
という細胞が2つあり花粉管を誘引します
が、花粉管が到達すると助細胞の1つが
崩壊し受精の場を作ります。
これまで助細胞がなぜ2つあるのか、
積極的な理由は見いだされていません
でした。
今回、1本目の花粉管が受精に失敗した
時に、2つ目の助細胞がバックアップ機能
を果たし、受精を回復することも明らかに
しました。
オオムギやエンドウなど、多くの植物で
1つの卵細胞に花粉管が2本到達する例が
確認されています。
つまり、これまでまれなこととして注目
されなかった現象が、植物生殖の重要な
仕組みを意味していたと考えられます。
今後この現象の分子メカニズムが解明
されれば、植物の交配をコントロール
できるようになり、例えば気象条件の
厳しい地方で精細胞が原因で生じる
農作物の不作に対して、1つでも多くの
種子を形成させることができるようになる
と期待できます。
本研究成果は、2012年5月17日
(米国東部時間)に米科学誌
「Current Biology」の
オンライン速報版で公開されます。
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>植物は失敗に備えたバックアッププラン
>を持っている
良く出来てますね~
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